骨髄移植受けた東アジア人か 栃木県警、被害者の特徴公開 日光切断遺体発見1年 2人分のDNA型検出

今市署捜査本部が作製した被害男性の特徴と似顔絵のイメージ画(県警提供)

 栃木県日光市長畑のゴルフ場跡地で2022年1月、バラバラに切断された男性の遺体が見つかった事件で、今市署捜査本部は18日、被害者の特徴や復元した顔のイメージ画を明らかにした。被害者からは2人分のDNA型が検出されており、骨髄移植などを受けた日本や韓国、中国などの東アジア人の可能性が高いという。ただ、身元の特定には至っておらず捜査は難航している。捜査本部は引き続き身元の特定や防犯カメラ、遺留品の捜査などに全力を挙げる。事件は19日で遺体発見から1年を迎える。

 遺体は昨年1月19日、地元住民の通報を受けた今市署員が発見した。ゴルフコース内の斜面にあったスーツケース内に胴体、スポーツバッグ内にへそ下から膝上の下半身が入っていた。約400メートル離れたビニール袋からは頭部や両腕、片膝が見つかった。捜査関係者によると、現場周辺からノコギリなど複数の刃物も発見された。

 捜査本部によると、被害者は40~70歳くらいの男性で身長160~170センチ程度。血液型はA型。死後数カ月から数年が経過している。上の前歯がなく染めていない黒髪が特徴という。

 男性のDNA型鑑定を実施したところ、混入ではない2人分の型を検出した。専門家により、白血病による骨髄移植などを受けた可能性があると判断された。日本を含む東アジア地域で多いDNA型という。

 捜査関係者によると、男性のDNA型は国内では骨髄移植のドナー登録などがなかった。特に韓国人に多い型という。現在は国内でほぼ行われなくなった歯の治療法も施されていた。

 捜査本部は現在約60人態勢で、これまでに延べ約2万人の捜査員を投入。関東地方の行方不明者や歯の治療痕などを調べた。情報提供は21件あった。捜査幹部は「被害者の身元が分かれば捜査は一気に前進する」と話す。

 捜査本部は腐敗した被害者の顔から復元した4種類のイメージ画と特徴を掲載したA4チラシを約2万5千枚作製し、広く情報を呼びかける。情報は捜査本部0288.23.0110。

遺体の一部が入ったスーツケースとスポーツバッグが発見されたゴルフ場跡地の橋周辺=17日午後、日光市長畑
遺体の一部が入ったスーツケースとスポーツバッグが発見されたゴルフ場跡地の橋周辺=17日午後、日光市長畑

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