使い方知られなさすぎ…海上保安庁への118番通報、有効件数はわずか2.4%【敦賀海保日誌】

使い方知られなさすぎ…海上保安庁への118番通報、有効件数はわずか2.4%【敦賀海保日誌】

遅ればせながら、みなさま、新年あけましておめでとうございます。今年も本連載「敦賀海保日誌」をどうぞよろしくお願いします!みなさん、お正月はどのように過ごされていましたか?私はというと実家に帰って寝正月。ずっとスマホをいじってただけだったような。あらためて考えてみるとスマホが無かったころって暇な時間どうやって過ごしてたかなぁ・・・

ところで、そんな正月ボケ覚めやらぬ1月18日。この日が「118番の日」だということをみなさんはご存じでしょうか?はい、当然知らなかったと思います。知ってた人はすごい!ありがとうございます!・・・そもそも「118番」ってなんの番号?ってところからなんですが、これは海上保安庁の緊急通報用電話番号。警察の110番や消防の119番と同じように、海での事故や事件を目撃した遭遇したという場合に海上保安庁へ通報していただくための電話番号です。

目印の少ない広い海の上では、事故や事件が起きたとしても、自分が今いる場所をピンポイントで説明するのってとても難しいんです。そんなとき、携帯電話やスマホから118番に通報してもらえれば、その通報位置が海保で分かるシステムとなっているので、海上保安官がすぐさま現場に駆け付けることができます。いやぁ、つくづくケータイやスマホが無いころってどうしてたのかなぁと思うばかり・・・。私のようにスマホ依存が進行してしまうのも無理ありません。

そんな「118番」は、平成12年に運用が開始されましたが、認知度がまだ低いためか、正しい使い方をされることが全体のほんの僅か。福井県から島根県までの日本海沿岸を管轄する第八管区では、令和4年中、有効な118番への通報件数は全体のわずか2.4%ほどで、その他の約97.6%、1万3千件以上にものぼる118番通報は、無言電話や間違い、いたずらなどだったとのこと。これ、けっこうビックリする数字じゃありませんか?

こんな状態が続けば、一分一秒を争う海難救助の現場への出動が遅れて命にかかわる可能性だってあります。みなさん、いざというときに落ち着いて海上保安庁に通報できるよう118番を覚えていただくとともに、“正しい”118番の利用をお願いします!

⇒釣り、マリンスポーツ中の思わぬ事故、連載「敦賀海保日誌」を読む

というわけで、1月18日は「118番の日」!

みなさんにとってこの一年が、「118番」通報をしなければならないような緊急事態に陥らない、安全安心なものとなりますように。(敦賀海上保安部・うみまる)

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