2013年の冬移籍で最も移籍金が高かったスター10人

2023年の冬移籍も残り少なくなってきた。ここでは、10年前の2013年に最も高額な移籍金で取り引きされた選手たちを振り返ってみる。

10位 ウィルフリード・ザハ

移籍金:1175万ユーロ(16.4億円)クリスタル・パレスからマンチェスター・ユナイテッドが獲得、当時20歳

アフリカ出身らしい素晴らしい身体能力とトリッキーなドリブルが武器のアタッカー。

2013年1月にユナイテッドが獲得すると、同年夏に正式加入した。だが、デイヴィッド・モイーズ監督には重用されず、ユナイテッドではわずか4試合に出場に終わる。

その後、復帰したパレスではエースへと成長。ただ、30歳になった彼の契約は今季限りで満了になる。

9位 ヤン・エンヴィラ

移籍金:1200万ユーロ(16.6億円)レンヌからルビン・カザンに移籍、当時22歳

20歳で代表デビューするなどフランスで期待されていたボランチ。守備力とシュート力を武器にレンヌで稲本潤一を追い落とすなどブレイクを果たす。

だが、アーセナル移籍が破談になると、夜遊び発覚で代表から長期出場停止を受けるなど瞬く間に凋落…。

32歳になった現在はオリンピアコスでプレーしている。なお、代表戦の出場は1試合のみ。

8位 フィリペ・コウチーニョ

移籍金:1300万ユーロ(18億円) インテルからリヴァプールに移籍、当時20歳

近年の冬移籍で最高の当たりのひとつ。

セリエAからプレミアリーグに参戦すると、“小さな魔法使い”として大暴れし、レッズの10番として主軸に成長した。

なお、2018年1月にバルセロナに移籍した際の売却額は1.35億ユーロ(187億円)。単純計算すると、リヴァプールは彼の売買で1.22億ユーロ(170億円)の利益を得ている。これはサッカー史上2番目の利益額(1位はネイマール)。

5位タイ クリストファー・サンバ

移籍金:1500万ユーロ(20億円) アンジからQPRに移籍、当時28歳

フランス生まれながら、コンゴ国代表としてプレーした巨漢ディフェンダー。

190cmを超える巨体でフィジカルとヘッドの強さ、シュート力はモンスター級だった。俊敏性はなかったが、単純な縦勝負では負けないスピードも兼備していた。

2013年1月、当時の金満クラブだるアンジから減俸を受け入れてQPRに移籍。4年半の契約を結ぶも、負傷で10試合の出場に留まり、チームも2部に降格。

その結果、半年で古巣アンジが再獲得することに。さらに、そのアンジが財政難に陥ったことで、わずか1か月後にディナモ・モスクワに移籍している。

5位タイ ダニエル・スターリッジ

移籍金:1500万ユーロ(20億円)チェルシーからリヴァプールに移籍、当時23歳

もとはマンチェスター・シティで育成された元イングランド代表FW。

シティとの契約満了でチェルシーに移籍したが、24歳以下だったために違約金が発生することに。結局、チェルシーは830万ポンド(13億円)を支払った。

そのチェルシーから移籍したリヴァプールでは、ルイス・スアレスやコウチーニョらと強力な攻撃陣を形成し躍進の原動力に。

昨夏から所属クラブがなく、33歳になった現在は無所属。

5位タイ アレシャンドレ・パト

移籍金:1500万ユーロ(20億円) ミランからコリンチャンスに移籍、当時23歳

日本で行われたクラブW杯で神童として一躍ブレイクした元ブラジル代表FW。

10代で移籍したミランでも爆発的な瞬発力とドリブルでいきなり活躍を見せた。だが、怪我などでパフォーマンスを落とすと、失意のまま母国に戻ることに…。

ミラン加入当初はカフーやパオロ・マルディーニら歴戦の勇士たちも舌を巻くほどのプレーを見せていたが、本人によれば、怪我をおして強行出場しているうちにコンディション面で崩れていったそう。

昨季限りでMLSオーランド・シティを退団しており、33歳になった現在は無所属となっている。

4位 タイソン

移籍金:1524万ユーロ(21.1億円) メタリストからシャフタールに移籍、当時25歳

数多の有望ブラジル人を獲得してきたウクライナの雄シャフタールで、ブラジル人として最多となる299試合に出場したレジェンド。

小柄ながら圧倒的なボールスキルを活かしたドリブルアタックに定評があり、左サイドからの局面打開能力はハイレベルだった。

ウクライナ代表入りも噂されていたが、2016年に28歳にしてブラジル代表デビューすると、2018年のW杯にも出場(プレー機会はなし)。

2021年4月、ロシア侵攻を受けたシャフタールとの契約が解除されると、古巣インテルナシオナルに11年ぶりに復帰した。

3位 マリオ・バロテッリ

移籍金:2000万ユーロ(27億円) マンチェスター・シティからミランに移籍、当時22歳

稀代の悪童として知られる元イタリア代表FW。シティでも“舐めプ”事件にロベルト・マンチーニ監督との衝突、アカデミー選手への乱行などで話題を振りまいた。

ミランでともにプレーした本田圭佑によれば、「みんなが思っているような選手でもあり、全然素直でいい子っていう側面もある。人の話をすごく聞くし、むしろ教えてほしいみたいなスタイルを持っていたりもするし」とのこと。

32歳になった現在はスイス1部のシオンでプレーしている。

2位 ウィリアン

移籍金:3500万ユーロ(48.5億円) シャフタールからアンジへ移籍、当時24歳

小柄ながらスピードとテクニック、運動量を兼ね備える秀英として活躍した元ブラジル代表MF。

当時金満だったアンジに引き抜かれるも、クラブの財政難により、2013年夏にチェルシーに移籍している(実はトッテナム移籍寸前だった)。

今季からフラムでプレーしており、先日のチェルシー戦では古巣相手にゴールを決めた(動画38秒から)。

Optaによれば、元チェルシー選手がプレミアリーグでチェルシー相手にゴールを決めるのは26人目。これはプレミア最多記録だそう。

1位 ルーカス・モウラ

移籍金:4000万ユーロ(55億円) サンパウロからPSGへ移籍、当時20歳

かつては「セレソンで10番を担う」と大きな期待を寄せられていたスピードスター。18歳で代表デビューすると、PSGが大金で引き抜いた。

その後、2018年1月にトッテナムへ移籍。30歳になった今季は怪我もあり、存在感が希薄になっている。

トッテナムのアントニオ・コンテ監督は「彼の契約は延長されない。クラブの決定だ。今季はルーカスにとってつらいものになってしまった。正直、今季の構想段階では彼は重要な選手だったのだが」と話しており、退団が濃厚となっているようだ(契約は2024年までのようだが)。

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ちなみに、移籍金額11位はディナモ・ザグレブからインテルに1100万ユーロ(15億円)で移籍したマテオ・コヴァチッチだった。

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