喫煙率が平均寿命に関係 和歌山県立医大が都道府県の傾向研究

都道府県の喫煙率と平均寿命の関係について、研究結果を発表する県立医科大学の藤吉朗教授(18日、和歌山市で)

 和歌山県立医科大学(和歌山市)は18日、喫煙率が高い都道府県ほど、平均寿命が短くなる傾向があることが、全国約2700万人のデータを基にした研究で分かったと発表した。

 衛生学講座の藤吉朗教授が同大学で記者会見を開いた。藤吉教授は、厚生労働省が公開している2015年の特定健診受診者のデータを利用し、都道府県ごとの喫煙率と平均寿命などの関係を調べた。これまで、個人レベルでは、喫煙が身体に悪影響を及ぼすことが分かっているが、平均寿命との関係ではデータが限られていたという。

 藤吉教授によると、研究の結果、都道府県の平均寿命は、喫煙率が1%高まるごとに、男性は0.06歳、女性は0.14歳短くなることが分かった。

 また、喫煙率と、がん罹患(りかん)率や、がんによる死亡率も相関関係が見られたという。

 ほかに、平均寿命との関係が大きいとされる高血圧、過剰飲酒についても検討。その結果、都道府県の平均寿命の差は、男性の場合45%、女性の場合31%の部分で、喫煙率、高血圧、過剰飲酒の3因子が関係していることが分かったという。

 藤吉教授は「平均寿命を延ばすためには喫煙、高血圧、過剰飲酒への対策が重要であることを改めて示唆した結果になった。都道府県で平均寿命を延ばそうという時に、こういったデータが参考になると思う」と話した。

 2015年の和歌山県民の喫煙率は、男性が34.8%で平均寿命は79.94歳。女性は10.1%で、平均寿命は86.47歳。

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