
ウクライナに侵攻したロシア軍が近く大規模攻勢に出るとの見方が強まっている。今月11日にショイグ国防相が軍制服組トップのワレリー・ゲラシモフ参謀総長(67)を現地の統括司令官に任命する異例の人事を断行。ロシアの専門家の間では、欧米がウクライナへの供与を決めた戦車などの重火器が前線に届く前に戦況を好転させる意図があると指摘している。
ゲラシモフ氏は2012年11月、中央軍管区司令官から参謀総長に就任。非正規軍やサイバー攻撃を駆使した宣戦布告なしの戦闘で敵を圧倒する「ハイブリッド戦争」のロシアでの発案者とされ、その理論は「ゲラシモフ・ドクトリン」とも呼ばれた。