矢掛小児童 森林資源守る意義学ぶ 町有林保全活動の企業が出前授業

ぬらしても破れないティッシュペーパーを実験で教える上田さん(右から3人目)

 岡山県の「企業との協働の森づくり事業」の一環で、同県矢掛町の町有林4.3ヘクタールの保全活動をしている化学メーカー・荒川化学工業(大阪市)による出前授業が矢掛小(同町矢掛)で行われ、5年生約30人が森林資源を守る意義について学んだ。

 講師は経営企画室の中島綾香さん(29)と技術開発に取り組む上田暖(はる)さん(26)。中島さんは、森を守り育てることが土砂災害や地球温暖化を防ぐほか、紙製品などを生み出すと説明した。

 上田さんは化学実験を指導。トイレットペーパーに、紙の強度を確保する紙力増強剤を塗布した場合、水をかけても破れないことを実験で確かめた。ティッシュペーパーは同増強剤を混ぜて作っているので水に溶けないと解説した。

 女子(10)は「森林の大切さや、身の回りにあるものには多くの化学技術が使われていることが分かった。不思議に思ったことは調べてみたい」と話していた。

 出前授業は、森づくり事業で協定を締結している縁から、町が依頼し、11日に開いた。

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