コロナ禍3年がたち行動制限は緩和されたものの、第8波の感染者数は高止まりの状態が続く。「限界にきている」「もう打つ手がない」。糸魚川市内の飲食店が客足が戻らない窮状を市に訴えた。
17日、糸魚川飲食店組合の役員らを中心に関係者6人が市役所を訪れ、救済措置や支援策の検討に市産業部商工観光課と情報、意見交換を行った。
◇3月末まで支援事業
市はコロナ禍で3度目となる飲食店等の支援事業「今すぐUtage(宴)キャンペーン」(昨年12月1日~3月31日)を実施している。宴会代の一部を市内共通商品券でキャッシュバックするもので、今回は二次会利用が激減している状況を受けて、二次会利用の商品券金額を増額するなど内容を拡充した。
申請件数は16日時点で350件、うち二次会は180件。3、4年度の過去2回の実績と比べて二次会申請件数は約2、3倍と伸びているが、感染者の増加などに伴って予約キャンセルや延期が発生しており、実際の実施件数は変わってくる見込み。
組合側からは「店にとっては延期もキャンセルと同じこと。キャンセル料も取れない」「感染者が増えると市から宴会を控える内容の呼び掛けが出て、(キャンペーン)企画に矛盾が生じる」と効果が得られていない実情が伝えられた。物価高騰も追い打ちとなり、「先が見えない」と不安を吐露した。
山本和雄組合長(69、同市須沢「食事処利休」店主)は「宴(キャンペーン)が始まった頃から感染者が増えて逆に悪くなっていった」と話す。
組合で割引チケットなどの企画も考えたいとしているが、外出や会食などが制限された期間を経て生活習慣や意識が変わったことも、客入りが回復しない要因の一つと捉える。「今ある分を食いつぶしてやっていくしかない。それが尽きたら終わり。年配の経営者は先を考えると続けられるかどうか。このままではお手上げのところも出てくるだろう」と案じている。