新型コロナの感染急拡大を受けて、静岡県は医療ひっ迫防止対策強化宣言を出し、警戒を強めていますが、県内の最前線の現場は追い詰められています。
<診察の様子>
「朝はお熱、何度くらい?」
<来院者>
「38度くらい」
浜松市中区の「チルドレンクリニック」では、1日20人ほどだった発熱外来への患者が、年明け以降、連日50人前後まで倍増。診療時間も、1時間ほど延長せざるを得ない状況だといいます。
<チルドレンクリニック 辻徹院長>
「(新型コロナ患者の診療で)普段かかりつけの慢性の患者さんの診療時間も手短になってご迷惑をおかけしてしまっているといった感じです。スタッフたちもそれなりに疲れていると思います、心身ともに」
チルドレンクリニックでは、冬休み明けから子どもが学校で感染し、その後、家庭内で感染が広がるケースが目立つといいます。
<子どもが発熱した親>
「きょうは真ん中の子どもが発熱して来院した。家族は自分以外全員4人がかかっている状態」
<川勝平太知事>
「(宣言発令は)お医者さんと看護師さんを救うためです。最後の砦が悲鳴をあげている」
静岡県は医療崩壊を防ぐため、1月13日、医療ひっ迫防止対策強化宣言を発令しました。重症化リスクの低い人は自宅で療養するよう求めています。
宣言から20日で1週間を迎えますが、静岡県内の病床使用率は依然8割を超えていて、厳しい状況は続いたままです。
<チルドレンクリニック 辻徹院長>
「当然、具合が悪い時には受診してほしいですけど、まずは慌てないで」
追い詰められた医療の現場は、終わりの見えない戦いをきょうも続けています。