大きなフィールドで、一球一球何が起こるか分からないのが野球。試合中の最高の瞬間を捉えるのは困難である。その中20年以上MLBカメラマンとして活躍する田口有史がこれまで捉えた「最高の一瞬(Moment)」を一話一枚ずつ紹介する。
今年のワールドシリーズ第4戦、アストロズの4投手によるノーヒッターが達成された。
ここまでフィリーズが2勝1敗とシリーズをリード、ホームで連勝して一気に勢いに乗りたいフィリーズをノーヒッターでガッチリ勢いを止めたアストロズ会心の一戦。
ノーヒッターの最後のアウトをどう撮るか。喜ぶ投手のガッツポーズも取りたいが、やはりヒットの欄に0と入っているスコアボード、投手、バッターを全て一枚に収めたいというのが僕のアイディア。
How to “Catch the Moment”
幸いなことに、フィリーズの本拠シチズンズバンク・パークではそうした絵柄が撮れる位置にカメラを置いておくことができる。試合前はまさかこんな歴史的な試合になるとは思わなかったものの、無事にカメラが作動してくれることを祈って、最後のアウトの瞬間をリモコンカメラに委ねた。
結果、危うくマウンドが切れそうになっていたものの、投手のプレスリー、最後のバッターのリアルミュート、スコアボード、そしてシチズンズバンクといいうのがよくわかる、綺麗な一枚が撮れた。