【Catch the Moment 17話】試合の流れを決定づけた瞬間

大きなフィールドで、一球一球何が起こるか分からないのが野球。試合中の最高の瞬間を捉えるのは困難である。その中20年以上MLBカメラマンとして活躍する田口有史がこれまで捉えた「最高の一瞬(Moment)」を一話一枚ずつ紹介する。

流れが何度も変わった今年のワールドシリーズ。1勝1敗で本拠地に戻ったフィリーズ。そこからの3連戦で少なくとも勝ち越すためにはどうしても取りたい第3戦。

1回表にカステラノスのスライディングキャッチという幕開けで、いきなり大興奮のシチズンズ。バンク・パーク。その裏、打席にはワールドシリーズ本拠地初打席の頼れる主砲のブライス・ハーパー。ファン総立ちでハーパーを打席に迎え入れると、その初球を捉えたハーパーの打球はライトスタンドへ。

#フィリーズ 】久々の本拠地開催 #ワールドシリーズ で先陣を切ったのはやっぱりスーパースターのこの人!!ブライス・ハーパーの先制2ランホームランで初回に2点リードを奪っています#2022ワールドシリーズ pic.twitter.com/ZfRho1GAUI

— MLB Japan (@MLBJapan) November 2, 2022

打った瞬間ホームランとわかる打球を見送るハーパーとその後ろには総立ちのファン。このシリーズ中、フィリーズが、そしてシチズンズ・バンク・パークが最も盛り上がった瞬間を表現できるよう一枚の写真に収めた。

ノーヒッターの最後のアウトをどう撮るか。喜ぶ投手のガッツポーズも取りたいが、やはりヒットの欄に0と入っているスコアボード、投手、バッターを全て一枚に収めたいというのが僕のアイディア。

How to “Catch the Moment”

スーパースターが打つと、やはりチームは盛り上がる。このホームランで一気に流れをものにしたフィリーズは7対0で勝利。この時はシリーズそのものの流れもフィリーズが掴んだかとも思ったのだが。それでも今年のプレーオフの、ハーパーの千両役者ぶりとフィリーズファンの興奮を表す一枚になったと思う。

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