【Catch the Moment 19話】初夏のフェンウェイパーク

大きなフィールドで、一球一球何が起こるか分からないのが野球。試合中の最高の瞬間を捉えるのは困難である。その中20年以上MLBカメラマンとして活躍する田口有史がこれまで捉えた「最高の一瞬(Moment)」を一話一枚ずつ紹介する。

吉田正尚が来シーズンよりプレーするレッドソックスの本拠地フェンウェイパーク。数々の改修を重ねながらも、MLB最古のボールパークの雰囲気をきちんと残し、その歴史を感じさせながらも意外と快適に試合を見ることができ、また球場係員もそこで働くことに誇りと愛情を感じさせてくれ、レッドソックス自ら、「最も愛されているボールパーク」というに値する空間だ。

シーズン開幕直後の4月初旬やポストシーズンに入る10月になると寒い日も多く、また雨に当たる確率も高くなるが、暖かくなってくる初夏の頃のデーゲームで、しかも天気が良いとなると、本当にこの空間は心地が良い。

How to “Catch the Moment”

この写真はボストンの気候も暖かくなってきた5月中旬、週末のデーゲームの試合前。試合前のグランド整備中に、逆に選手がいないからこそ、このボールパークの空間としての心地よさを写したくてシャッターを切った。

フェンウェイパークの雰囲気を感じながら、来シーズンのMLBを、そしてこのバッターボックスに吉田正尚選手が立つ姿を想像しながら寒い冬を乗り切ってもらえたらと思う。

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