大画面通し“等身大”で交流 五島市、東京の会社と連携 移住相談などの機会創出へ

東京から「窓」のモニターを通し、システムについて説明した阪井社長(中)ら=五島市、セレンディップホテル五島

 長崎県五島市は19日、テレプレゼンシステム「窓」を手がけるMUSVI(ムスビ)(東京)や任意団体「長崎・新たな暮らし方会議」と連携し、同システムを活用した実証実験を始めた。同市のホテルと長崎市のコワーキングスペースをオンラインで接続。同システムの特徴である縦型の大型モニターを使い、相手と“等身大”で会話することでより五島を身近に感じてもらう。
 MUSVIは、長崎市出身で、ソニー時代から「窓」の研究開発を進めてきた阪井祐介社長が昨年創業した。「窓」は、縦型55インチモニターのほか、高音質技術によって会話だけでなく周囲の環境音なども拾い、従来のテレビ会議システムよりも相手の気配や臨場感があるという。既に国内外で50以上の企業や教育・医療機関、自治体が導入している。
 実験では約1カ月、五島市武家屋敷1丁目のセレンディップホテル五島と長崎市古川町の「HafH Nagasaki SAI」のコワーキングスペースを常時オンライン接続。ワーケーションやリモートワーク、移住の相談などで五島との交流機会をつくる。実験では本土と離島、五島市内での新たな使い方も模索する。
 19日は同ホテルでお披露目があり、阪井社長が東京から「窓」で取材に対応。「距離の制約を超え、同じ空間に相手がいるような感覚になれる」と説明。「離島に住みながら本土や都会とつながって仕事や生活ができるスタイルをつくっていければと考えている」とした。同会議の大瀬良亮共同代表幹事は「五島に行きたくなるきっかけができれば」と話した。


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