関東で3人組強盗相次ぐ 共通する手口、足利では通報妨害も

強盗致傷事件が発生した住宅を調べる捜査員=10日早朝、足利市

 栃木県を含めた関東地方で、住宅や店舗を狙った3人組の犯行とみられる強盗事件が相次いでいる。栃木県警は同一犯による事件の可能性を含め、他県警と情報交換しながら関連を調べている。10日に足利市の住宅で発生した事件では、犯人が被害者の携帯電話を奪った上に電話線を切断して通報を妨害したほか、奪った通帳の口座から現金50万円を引き出していたことも判明。栃木県警は周辺の防犯カメラやATMなどの捜査に注力している。一方、栃木県内で高級腕時計を扱う店舗に警戒を呼びかけている。

 関東地方では1月9~14日に神奈川、栃木、埼玉、茨城の4県で、住宅を狙った強盗事件が5件発生した。9日と12日には千葉県で質店などを狙った事件が2件続いた。いずれも実行犯は3人組とみられている。

 住宅を狙った事件では、未明や早朝に窓ガラスを割って侵入し、住民を暴行して粘着テープで緊縛する手口がほぼ共通する。栃木県警は他県警と防犯カメラ映像などの情報を交換し、関連を慎重に調べている。

 足利市では10日未明、現金300万円などが奪われた。関係者によると、犯人の1人は犯行中、携帯電話で指示を受けていた様子だったという。被害者の携帯電話を奪ったり、固定電話の電話線を切断したりして通報を遅らせようとしていたことも判明した。

 被害男性は下野新聞社の取材に「ガラスが割れる音で起きた。横になっている状態で襲われた」と振り返り、「早く捕まってほしい。同じような被害は起きてほしくない」と話した。

 一方、千葉県で起きた店舗の事件を受け、栃木県警は同様に高級腕時計を扱う県内店舗に注意喚起した。不審者を目撃した際の速やかな通報やショーケースの確実な施錠を呼びかけている。

 捜査関係者によると、宇都宮市内の質店から、1月中旬にパーカなどを着て店内をうろつく不審な3人組が来店したとの情報も寄せられた。他の事件との関連は不明だが、下見をしていた可能性があるという。

関東地方で相次ぐ“3人組”の強盗事件

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