清野菜名、脚本・岡田惠和の「日曜の夜ぐらいは…」で主演。ABCテレビが全国ネットのドラマ枠を新設

ABCテレビは4月から、日曜午後10時に全国ネットの連続ドラマ枠を新設。その第1弾が、主演・清野菜名と脚本・岡田惠和氏のタッグによるオリジナル作品「日曜の夜ぐらいは…」(開始日未定)に決定した。「人生とは、家族とは、愛とは」をテーマにしたハートフルなドラマを届ける。

古ぼけた団地、郊外の借家、街中をむなしく走るタクシー。時代に取り残され、活気を失い、どことなくもの寂しさが漂うどこにでもある光景に特筆すべき要素はない。だが、それぞれの窓の奥に目を凝らせば、そこにはさまざまな事情を抱えた暮らしがあった。足の不自由な母との2人暮らしを支えるため、休みなくバイトを続ける娘・岸田サチ(清野)、そして家族から縁を切られながらも、退屈な毎日に楽しみを求めてタクシー運転手を続ける女性、両親との縁が浅く借家暮らしを送りながら祖母と工場勤務を続ける孫娘――。離れた場所に住み、お互いの存在も知らない3人は、あるラジオ番組をきっかけに運命的な出会いを果たす。戸惑いながらも心を通わせ始めた彼女たちに、ある“奇跡”が起き…。漫然とした暮らしの中で行き詰まっていた3人の人生が、静かに動き出す。

主演を務める清野は、映画「TOKYO TRIBE」(2014年)でのアクションシーンで女優として注目を集め、その後も数々の作品で体当たりの演技に挑戦してきた。「キングダム2 遥かなる大地へ」(22年)でも華麗な剣術を披露し、他の追随を許さない存在感を放ち続ける清野だが、今回初めての岡田作品では、やりたいことではなくやらなければならないことで日常が埋まっていく暮らしに身を置く等身大の女性像を演じる。

「新しいドラマ枠にトップバッターとして挑戦できることがとてもうれしい」と率直に喜ぶ清野は、今回の役どころについて「演じる岸田サチは、身近にいそうな等身大の20代の女性です。平凡な毎日をただ生きていて、お金も趣味もなく、友達もいなくて、車椅子生活をしている母と2人暮らしをしていますが、その中でかけがえのない友情と出会い変化していく様子が描かれます。性格的には、自分の感情を表現することが苦手で、とても不器用な子。そうした部分を私自身が深く理解して、繊細に演じていけたらいいなと思っています」と紹介。また、「最近の出演作では日常とかけ離れた役が多く、リアルさを追求するような作品は久しぶりになるので、その点も楽しみにしています」と期待する。

初めて岡田氏の作品に挑むことに関しては、「これまで、友情についてあらたまって深く考えたことはなかったのですが、脚本を読ませていただいて、何げない会話でも友達同士だと盛り上がったり爆笑し合えたり、相手のことを自分のことのように喜べたり悲しんだり怒ったり…そういう関係性がとてもすてきで、友情ってあらためて本当にいいものだなと感じることができました。まだ数話ではありますが、脚本を読めば読むほど心が温まっていく感覚があって、すごく優しい気持ちになれる作品だと感じているので、視聴者の方にも日曜の夜10時に、心を温めにきてほしいなと思っています」と印象を明かし、「演じる上では、友情に基づいた会話劇になるので、共演する皆さんとコミュニケーションをしっかり取って、セリフを超えたものを表現できたらいいなと思っています。そのためにも、お稽古はいっぱいしたいです」と意気込む。

そして、1年半ぶりの地上波連ドラへの出演に向けて、「この1年半、自分にも大きな変化があった中での出演作になりますし、期間が空いたということで緊張している面もありますが、脚本を読んでからは、緊張を越えて期待の方が大きくなっています。このすてきな作品で、岡田さんの世界観にたっぷり浸れることを楽しみたいと思います」と心境を明かしている。

今回、脚本を務める岡田氏は、NHK連続ドラマ「ひよっこ」、にじいろカルテ」(テレビ朝日系)、「ファイトソング」(TBS系)などのドラマや、映画「いま、会いにゆきます」(2004年)など数々の名作を世に送り出してきた。

そんな岡田氏は「清野菜名さんと初めてタッグ組ませていただきます。強くてしなやかで、美しく親しみのあるお芝居をされる俳優さんです。『キングダム2』のキョウカイ役も、『耳をすませば』の雫役もどちらもすてきなのはすごいなぁと、昨年は思っておりました」と、清野への印象を述べ、さらに「日常という戦場で、誰に褒められるわけではないけど、しっかりと逃げずに踏ん張って戦い続ける女性たちの物語です。そんな女性たちに神様はちょっとしたプレゼントをしてくれます。だからきっと大丈夫。ささやかだけど、視聴者の皆さんと共に今を生きる活力になるような物語を、丁寧に紡いでいきたいと思っています」とメッセージを寄せている。

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