農家からミツバチの重要性学ぶ みなべ町高城中

下村勤さん(右)からニホンミツバチや巣箱についての話を聞く生徒=和歌山県みなべ町滝で

 和歌山県みなべ町滝、高城中学校(瀬戸敬二校長)の1年生13人が18日、ニホンミツバチについて学習した。地元で栽培が盛んな南高梅を栽培する上で、重要な役割を果たしていることなどを教わった。来月にはミツバチの巣箱を作り、学校の敷地内に設置する予定。

 総合的な学習の一環で、地域を知るために世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」について学んでおり、その中で、南高梅の花の受粉を助けるニホンミツバチに着目している。本年度で3年目の取り組み。

 地元の高城地域共育協議会会長で、ニホンミツバチの保護活動をしている梅農家の下村勤さん(79)=みなべ町高野=が今回も講師を務める。初めに、ミツバチの重要性を説明し、古くから人間が蜜を採集して食料にしていることも紹介した。植樹を続けている同町東神野川の山林「みなべ百年の森」などに巣箱を設置しているが、ニホンミツバチが入ったケースがなく、「生息数が減っている。何とかしなければと思う」と話した。

 ニホンミツバチとセイヨウミツバチの違いについて触れ「ニホンミツバチはいろいろな花の蜜を集めてくる。体が小さくて黒っぽく、おとなしい性格だ」と説明した。

 巣箱の構造やミツバチの1年間の活動についても説明。春は繁殖期で分蜂することを述べ「ミツバチが増えると、元々居る女王蜂が働き蜂と一緒に出て行く。多い場合は一つの巣で3回ある」と語った。寿命は働き蜂が約1カ月、女王バチは約2年だと説明した。

 生息数減少の原因についての話では「ハチノスツヅリガの幼虫であるスムシやスズメバチ、アカリンダニなどが天敵だといわれている」と述べ、殺虫剤が影響している可能性も挙げた。「守り、増やしていきたい」と語った。

 話を聞いた廣岡杏香さん(12)は「巣箱の中がどのようになっているのか教えてもらって面白かった。セイヨウミツバチとニホンミツバチの違いも興味深く、知らないことを教えてもらって勉強になった」と話していた。

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