広島市中区で-5℃予想 来週”強烈寒波”で記録的低温のおそれ 瀬戸内沿岸部も”凍結”に備えを 

広島市中区で-5℃以下となれば42年ぶり

夕方、広島地方気象台が発表した広島県の週間天気予報です。北部で雪マークが続いているのも気になりますが、来週予想される寒波の強さを表しているのが気温の予想。25日(水)の広島市中区の最低気温は-5℃の予想が出ています。

もし、広島市中区で-5℃を下回る気温が観測されれば、1981年2月27日(-7.5℃)以来、42年ぶりとなります。

気象台からは早めの注意喚起が発表に

20日午後、広島地方気象台は中国地方を対象に「強い冬型の気圧配置に関する気象情報」を発表しました。24日から25日ごろにかけて山陰や山陽北部では警報級の大雪のおそれがあるほか、平年よりも気温がかなり低くなる見込みです。

まだ4日前ですが、今回の寒波は非常に強く大きな影響が予想されるため、早めの注意喚起のために発表された形です。

中国地方では”10年に一度レベル”の強烈な寒気

現時点で予想されている今回の寒波は、中国地方にとって”10年に一度レベル”の強烈な強さとなるおそれがあります。地上の気温を大きく左右する上空1500メートルの寒気をみると、松江上空で観測史上最も低い気温となる可能性も出てきています。

寒気が入るピーク時には広島県をはじめ中国地方は上空1500メートルで-15℃以下の寒気にすっぽり覆われる可能性があります。

ザックリとした目安では、上空下層で標高が100メートル下がると気温は約0.6℃程度上昇します。そうなると標高0メートルでも-6℃くらいの気温となります。

日中または夜間か、地形や海、都市の影響などもあり、こんなに単純ではありませんがイメージとしてはそれくらい強烈な寒気です。

瀬戸内の沿岸部でも水道管や路面の”凍結”に注意

記録的な低温のおそれがある来週の寒波では、沿岸部でも注意したいのが水道管の破損です。水道管は一般的に‐4℃(風当りの強い所は‐1~‐2℃)を下回ると、水道管の凍結や破損の事故が多くなるといいます。

広島市水道局によると、2021年1月上旬の寒波(9日に広島市中区で最低気温-4.5℃を観測)では、管内で約1800件の凍結による水道管の破損が確認されました。

また、”10年に一度レベル”の強烈な寒気が流れ込んだ2016年1月、北広島町では水道管の破損によって水漏れが相次ぎ、配水池の水位が急速に低下。

およそ2000世帯が断水して、復旧までに1週間程度かかりました。

土日に準備できることは早めに

気象庁が週間天気予報で気温の予想を発表する際には、予想のブレ幅も表示しています。25日(水)の広島市中区の最低気温は-5℃の予想ですが、予想のブレ幅は-8℃~-3℃となっています。

まだ予想に多少のブレ幅はありますが、来週、中国地方に強烈な寒気が流れ込むこと自体の可能性は高まっている状況です。

中国山地を中心とした大雪への備えに加えて、普段はあまり水道管の凍結などを気にすることのない瀬戸内沿岸部でも、記録的な低温に対する備えが必要となりそうです。

水道管の防寒方法(広島市水道局)

© 株式会社中国放送