ビッグプロジェクト大詰めへ サッカースタジアムに広島駅… 都心の将来像を空から見た

2023年、広島市では都心のビッグプロジェクトが大詰めを迎えます。来年2月にはサッカースタジアムが開業。そして、再来年春にはJR広島駅の駅ビルと広電の駅前大橋線が開業予定です。

小林康秀 キャスター
「2023年となり、ますます広島市中心部の再開発が進んでいますが、あらためて上空から現状を確認したいと思います」

着々と進む開発を空からレポート。さらに広島市のトップにも直撃取材し、変貌を遂げる都心の将来像に迫ります。

小林康秀 キャスター
「広島駅の上空にやってきました。ゆっくり近寄っていくと、ご覧ください。駅ビルの建物の骨組みが地上から立ち上がってきていますね。

画面の右手・西側は、およそ高さ100メートルのホテルなどが入る建物が徐々ににょきにょきっと、できつつあるという感じですね」

陸の玄関口となる新たな駅ビルは、地上20階・地下1階建てで、商業施設やシネコン・ホテルなどが入る予定です。この夏には、広電の駅前大橋線が乗り入れる中央部分の工事が本格化する見通しです。

小林康秀 キャスター
「広島駅から駅前大橋に向けての工事がかなり進んでいます。広島電鉄の広島駅への乗り入れということで高架の柱がいくつも置かれているのがわかります。

この上を高架が伸びていって、一気に広島駅の中まで高架が進んでいくということになります。そして、画面の下の駅前大橋ですが、橋の中央がくり抜かれた形になっています。本当は1つの橋なんですが、2本の橋のように分かれた感じになっています」

着々と進む、広島駅南口の再整備…。

広島市 松井一実 市長
「ここは市内のみならず、広島市を含む広い広域都市圏のある意味で玄関口として活力・にぎわいを生み出す。そういった施設群にすべく作業が進んでいる。JR・広電・広島市、一緒になって協定を結んで、使い勝手のいい施設にしていこうということを約束しているので、そういった取り組みを進める」

松井市長は、今後、駅ビルに降り立った人たちを都心に呼び込むためのアクセスを整備していきたいとしています。

広島市 松井一実 市長
「例えば、栄橋を渡って縮景園の方に行って、広島城に行けるといった道。

今でも『文化の道』ということで、セットはしているのだが、市内全体、駅前から歩きやすいウォーカブルな街にするという目標を持っているので」

小林康秀 キャスター
「ああ、かなり上の方まででき上がりつつあります。ちょうど今、中央の土が見えるところがサッカーのグラウンド、ピッチだと思うんですが、そこに何台ものクレーン車がありまして、そこからスタンドの躯体を作り上げていっている状況ですね」

工事は、スタジアム西側部分の鉄骨が最上階の7階まで組み上がりました。4月以降には屋根の取り付け工事。5月以降には観客席の座席の工事が始まる予定です。

また、スタジアム東側の広場エリアも憩いの場・にぎわいの場として整備され、8月に着工、来年8月の完成予定です。

三の丸には、広島城の歴史資料を展示する「三の丸歴史館」が整備されるほか、飲食店やみやげ物店など、新たなにぎわいの創出を目指して整備される予定です。

広島市 松井一実 市長
「(サッカースタジアムの)まわりの施設群一連のものを整備して、年間通して多くの方が集まれるような施設群を配置する。その後は、そういった施設を運営してもらうのを民間の企画力を持った人々にお願いして、年間を通してイベントなどができるようにする」

そして、この一帯の整備で松井市長が意欲を示したのが、広島城天守閣の木造による復元です。

広島市 松井一実 市長
「木造というご意見が出てきたりして、これは本当にいいなと受け止めて、なんとか検討していきたいと思っている。基礎も残ってるし、戦前、国宝だった城の設計図もあるということなので、広島の戦前の文化もみなさんで共有するという流れの最終目標値として木造復元というのがあっていいと思っている」

ヘリは、いよいよ都心のど真ん中、旧市民球場跡地の上空へ…。

小林康秀 キャスター
「ここも工事が進んでますね。『ひろしまゲートパークプラザ』と名付けられた広場になるわけですが、その周辺に円を描くように小さな建物の建設が進んでいます。ここは、『シミントひろしま』と呼ばれる商業施設であるとか、物販などのスペースが、低層の建物が数個作られるという形になっています。屋根付きのスペースなどもできる広場が、その中央ということになるわけです」

こちらは、まもなく3月31日にオープンする予定です。最後にヘリが向かったのは、去年暮れに動きがあった、あの場所です。

小林康秀 キャスター
「比治山の上空です。山頂付近にアーチ状の屋根が見えますが、そういった建物がいくつもあります。ここが、放射線影響研究所です。画面の奥の方には宿舎のような建物もありまして、山頂付近にある一帯が研究所にあたります」

広島市 松井一実 市長
「『文学館』というのは、ほかの市もあるが、例えば大正期の広島の文学はこういうのがあって、こんなことをやっていた…。あるいは戦後の平和に関わるさまざまな文学がある。それも1つのものとして戦前・戦後を通じて広島の文学、こんなことがあるというのであれば、図書館以上にその文化面の情報発信がたぶん要るだろう。そういったものを象徴するものがあっていいということをわいわれているのは間違いないので」

その施設の構想とは、「文学館」です。市立中央図書館の移転とは別に、松井市長が候補地の1つとして挙げたのは、放影研移転後の整備が注目される、比治山の「平和の丘」でした。

広島市 松井一実 市長
「放影研、昔のABCCが降ろせるようになったっていうのが、ようやくできるから。ああいった丘もいろんな形で利用できたらと思う」

― 平和の丘も1つの候補地?
「考えてもらっていいと思う。あるいは(広島駅から)城につながる一連のところでそういう歴史文化があった方がよければ。だからストーリー性。街全体で施設群を配置して、広島を歩いたら、こういうところがある。連携を深める契機にしてもらいたいと思っている」

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