【那覇】21日に沖縄県那覇市で実施される弾道ミサイル飛来を想定した住民避難訓練を巡り、共産党那覇市議団は20日、市役所で知念覚市長と面談し、訓練の中止を申し入れた。一方、市議会自民系会派の自民党と自由民主はそれぞれ、訓練の実施を求める要請書を久場健護副市長に手渡した。
共産党市議団は申し入れ書で「訓練の実施は住民の不安や危機感、対立感情をいたずらにあおるものでしかない」などとして中止を要請した。
これに対し知念市長は「沖縄の歴史的背景を含めて皆さんと同じ思いだが、住民の命を守るのは行政としての責務なので備える必要がある」と理解を求めた。
自民と自由民主の要請書は共に、ロシアのウクライナ侵攻や台湾有事などで安全保障環境が厳しくなっていると指摘し、「国民保護訓練を実施するよう強く要請する」としている。
両会派とも要請書の手交後のやり取りは非公開にした。久場副市長からは知念市長に伝えるとの返答があったという。
(金城実倫、照屋大哲)