FIA F3王者のビクトール・マルタンス、2023年はARTグランプリからFIA F2に参戦

 ARTグランプリは1月20日、2023年のFIA F2のドライバーとして、アルピーヌ育成のビクトール・マルタンスを起用することを発表した。マルタンスは2022年のFIA F3にARTグランプリから参戦し、ドライバーズタイトルを獲得している。

 2001年生まれフランス出身のマルタンスは現在21歳。レーシングカートを経て、2016年に四輪デビューを果たすと、2018年〜2019年はルノーの育成プログラム『ルノー・スポール・アカデミー』のドライバーとしてフォーミュラ・ルノーNECやフォーミュラ・ルノー・ユーロカップに参戦。2019年はユーロカップでシリーズ2位となるも、シーズン終了後にルノーの育成からは離れてしまう。

 2020年にARTグランプリから参戦したフォーミュラ・ルノー・ユーロカップで20戦中7勝、14回の表彰台、10回のポールポジション、8回のファステストラップを獲得。キャリア初のタイトルを獲得を経て、2021年シーズンよりFIA F3に参戦する。また、同年より『ルノー・スポール・アカデミー』から名称を新たにしたアルピーヌの育成プログラム『アルピーヌ・アカデミー』に復帰している。

 2022年にFIA F3のドライバーズタイトルを獲得したマルタンスは、2022年シーズン終了後の11月末にアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開催されたFIA F2プレシーズンテストに参加し、すでにFIA F2車両を経験している。

「2023年シーズンは、エキサイティングかつモチベーションの上がるシーズンになるだろうね。ARTグランプリで成功した1年を過ごしたあと、僕は他のチームで次のステップに進むことは考えていなかった。ARTグランプリのようなプロフェッショナルで経験豊富なチームと一緒に、タフで競争力のあるFIA F2を戦うのが待ちきれないね」とマルタンス。

「プレシーズンテストでは、FIA F2のマシンに慣れ、自信を持つことができ、これまで抱いていた不安は解消された。だから僕の目標は、1年目でタイトルを獲得するために可能な限りのことをするだけだね。ARTグランプリとともに、大きな野望を果たすためのツールはすべて手に入れたと思う」

 また、ARTグランプリのチーム代表を務めるセバスチャン・フィリップは「2023年にビクトールとともにFIA F2に挑戦することは、FIA F3でARTグランプリが初のタイトルを獲得したシーズンを考えても、論理的な選択だと考えている」とコメント。

「ビクトールは2022年に大きな進歩を遂げ、パーソナルな部分でも、スポーツ的にも難しい状況の中で、モータースポーツの最高峰で偉大なことを成し遂げる精神力と才能を持っていることを証明した。アブダビのテストでは、彼が新しいシングルシーターに素早く、うまく適応する能力があることを確認している。彼の決意、熱意、そして克服する精神は、激しい競争のあるチャンピオンシップで武器となるだろう」

 なお、フランス国籍のARTグランプリはザウバー・アカデミーに所属するフランス人のテオ・プルシェールの残留を発表しており、2023年のFIA F2へはフランス人ドライバーふたりで参戦することになった。

2022年FIA F3王者となったアルピーヌ育成のビクトール・マルタンス(ARTグランプリ)
タイトル獲得の発表の瞬間、ビクトール・マルタンス(ARTグランプリ)は雄叫びを上げた。
2022年FIA F3第1戦サクヒールのレース2を制したアルピーヌ育成のビクトール・マルタンス(ARTグランプリ)

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