春節へ期待と不安 横浜中華街 3年ぶり本格祝賀行事も、人出完全には戻らず

春節でにぎわいを見せる横浜中華街=21日午後、横浜市中区

 外国人観光客が福を運んでくるか─。中華圏の旧正月「春節」に合わせた大型連休が始まり、県内の観光地に期待と不安が入り交じっている。横浜中華街は、新型コロナウイルス禍で見合わせていた祝賀行事を3年ぶりに本格再開。にぎわい復活に期待を寄せるものの、かつて“爆買い”が話題になった中国人観光客の来日は限定的とみられる。コロナ禍で受けた打撃の影響も残っており、経済回復の先行きは依然として不透明だ。

 ◇外国人の姿も

 飲食店が並ぶ大通りを「春節燈花」のランタンが彩る横浜中華街。家族で中華料理店を営む林眞喜子さん(59)は「春節のパレードが楽しみ。みんなが笑える場が大事」と、3年ぶりに再開するイベントを心待ちにしている。

 日本人観光客が中心の横浜中華街だが、昨年10月に入国制限が大幅に緩和されて外国人観光客も戻り始めた。目抜き通りでみやげ物を売る50代女性は「蒸している肉まんの写真を撮っている外国人の姿もよくみかけるようになった」と笑みを見せる。

 ただ、依然としてコロナ禍の影響は残っており、収束の兆しは見えない。別の中華料理店を営む女性(80)は「夜遅くなると早々に帰宅してしまう人が多い。コロナ前より早く閉めてしまう店もある」と数年前まで当たり前だった光景を懐かしむように話す。

 2020年に中華料理店を開いた男性店主(53)は「1年目は赤字、2年目は少し良くなったが、自分には給料を出せていない」と苦しい経営状況を打ち明けた。

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