
清和天皇の孫・六孫王(源経基)の墓の伝承がある巨大な「六孫王五輪塔」(奈良県宇陀市)について大阪大谷大の狭川真一教授は21日、石材に残った矢穴の痕跡から、破壊されたのは従来伝えられていた幕末ではなく、戦国時代と分かったと明らかにした。近くの秋山城の改修で石材の一部が持ち去られた可能性があるという。この五輪塔は南北朝―室町時代に造られたとみられているが、その後崩されて石材は並んだ状態で埋まっていた。
調査の結果、石材は祭った後に一気に埋められていたことが判明。火輪と呼ばれる屋根形の石材は割られて矢穴の痕跡があり、痕跡から戦国時代に割られたことが分かった。
