地震被災前の阿蘇神社、仮想空間に現る アバター使い馬やドローンで境内散策も 熊本学園大4年生が再現 基本図形組み合わせて4カ月

仮想空間上に作った阿蘇神社と作者の日田光星さん=熊本市

 熊本学園大4年の日田光星さん(24)=熊本県阿蘇市赤水=は、インターネット上の仮想現実空間「メタバース」に熊本地震で被災する前の阿蘇神社を再現した。アバター(分身)でドローンや馬に乗り境内を散策できる。日田さんは「阿蘇神社に興味を持ってもらうきっかけになれば」と話す。

 ゼミ研究の一環で、3D空間などを作るソフトを使い、メタバース基盤の「クラスター」上に楼門や神殿などを再現。おちょうずやおみくじといった細部にもこだわった。角柱や円柱、球といった無料素材の基本図形を無数に組み合わせ、4カ月ほどかけて組み上げた。

 また、空間内には展示室を二つ設け、倒壊した楼門や拝殿などの被害と復旧の様子を動画と写真で紹介している。「地震の怖さや再建を担う宮大工さんの技術のすごさなどを感じてもらいたい」と日田さん。指導する境章名誉教授(71)は「阿蘇の人にはメタバースを、県外の人には阿蘇神社を知るきっかけになる」と太鼓判を押す。

 阿蘇神社に六つある国指定重要文化財の建造物のうち、残る復旧工事は12月までに完成予定の楼門のみ。幼い頃から七五三や初詣などで参拝している日田さんは「熊本地震の被災文化財では熊本城が目立っており、阿蘇神社にも光を当てたかった。仮想と現実の両方を訪れる人が増え、地域振興につながればうれしい」と話す。(植山茂)

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