朝乃山 十両優勝 大相撲初場所14日目

千代の国を寄り倒しで下した朝乃山(右)=両国国技館

 大相撲初場所14日目は21日、東京・両国国技館であり、西十両12枚目の朝乃山(28)=富山市出身、高砂部屋=が自身初となる十両優勝を果たした。朝乃山は東十両7枚目の千代(ちよ)の国(くに)(32)=三重県出身、九重部屋=を寄り倒しで下して1敗を守り、1差で追う東十両5枚目の金峰山(きんぼうざん)(25)=カザフスタン出身、木瀬部屋=が東前頭15枚目の剣翔(つるぎしょう)(31)=東京都出身、追手風部屋=に敗れた。

 朝乃山は、相手の突き落としを左足を踏み込んでこらえると、すかさず右を差して土俵際に追いやり、体を預けながら寄り倒した。取組後に「踏み込んでいる分、耐えられたと思う。千秋楽に向けて自分の相撲を取り切りたい」と語った。

 22日の千秋楽は、東十両2枚目で9勝5敗の北青鵬(ほくせいほう)(21)=北海道出身、宮城野部屋=と戦う。身長2メートルの長身を生かした寄りが得意で、朝乃山とは右相四つとなる。

 今場所で好成績を残せば、他の関取の成績次第で来場所に幕内に復帰する可能性がある。西前頭9枚目の遠藤(えんどう)(32)=石川県出身、追手風部屋=は、西十両13枚目で臨んだ2013年7月場所を14勝1敗で優勝し、翌場所に新入幕を果たした。この成績に準じた結果が朝乃山の幕内昇進には欠かせない。

 県出身力士の十両優勝は元西前頭13枚目の駒不動(こまふどう)=富山市出身、放駒部屋=以来31年ぶり5度目となった。

◆プロフィル◆  朝乃山(あさのやま=本名石橋広暉)西十両12枚目、富山市出身、高砂部屋。富山商高―近大から16年春場所に三段目100枚目格付け出しで初土俵。17年春場所新十両。19年夏場所で初優勝。20年春場所後に大関昇進。新型コロナウイルス対策のガイドライン違反で21年名古屋場所から6場所出場停止処分。優勝1回。殊勲賞2回、敢闘賞3回、技能賞1回。得意は押し、右四つ、寄り。189センチ、174キロ。28歳。

■常川、千代烈士勝ち越し  県出身力士は、西三段目56枚目の常川(南砺市出身、荒汐部屋)が勝ち、7番相撲で勝ち越しを決めた。東序二段16枚目の千代烈士(南砺市出身、九重部屋)も白星を挙げ、3連敗からの4連勝で勝ち越し。東三段目3枚目の富豊(高岡市出身、時津風部屋)は勝ち、5勝2敗。東三段目43枚目の坂林(同、尾上部屋)は敗れ、1勝6敗で場所を終えた。

朝乃山の勝利を喜ぶ地元住民ら=貴船巻公民館
朝乃山の優勝が決まり、万歳三唱で喜ぶ地元住民=貴船巻公民館
寄り倒しで千代の国を下す朝乃山(上)

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