ホテルのような洗面所は自宅でも実現できる−−100均グッズも活躍する、整理収納アドバイザーが実践する方法とは

整理収納アドバイザーの米田まりな( @komedamarina )です。皆さんは自宅がなかなか片付けられず、「家中が散らかって……一体どこから手をつければ良いの?」「家族が片付けに協力してくれない!」と、モヤモヤしてしまうことはありますか?

そんな方に、最初に手をつけてほしいのが「洗面所」。洗面所は家族の使用頻度が高く、テレワーク中もリラックス中も目につきやすい場所です。また、水回りは汚れが目立ちやすく、こまめな掃除が求められる場所でもあります。

一度「ホテルライクな洗面所」を作ることができれば、日々の生活で効果を実感し、綺麗な状態をキープしたくなるものです。所用時間は2〜3時間なので、休日に家族でトライしてみましょう!

(C)丹野雄二


ステップ1:荷物を全て出す

まずは洗面所の荷物を、一度全て出してみましょう。

洗面所内で点検をするのではなく、紙袋や洗濯カゴに入れてリビングに運び、ブルーシート等を引いて広げていきます。この時、(1)使用者で分ける、(2)使用頻度で分けるという順で分類しながら、アイテムを出していきましょう。

例えば、景品でもらった小型加湿器など、「いつか使うかもしれないけど、今は誰も使っていないモノ」は、ひとまとめにして優先順位を最後尾とします。家族間で共有しているクリームなどがあれば、最も使用している人を「代表使用者」とします。掃除用具も、家事頻度の一番多い人を代表者とします。

使用頻度は各自で決めますが、「使うかも」という未来視点ではなく、過去にさかのぼり「直近1ヵ月で使った回数」を厳密に数えましょう。「毎日使用」「週に数回使用」「月に数回使用」「それ以下」の4グループに分けます。

多くの方が、「こんなに持っていたっけ?」と驚くのではないでしょうか? 洗面所には小物が詰め込まれやすいのです。

分類する中で、肌につけるアイテムは使用期限も意識しましょう。化粧品は未開封で3年。開封後は、メイキャップは1年、スキンケア用品は半年が目安です。簡易包装の化粧品サンプルは、未開封でも、もらってから1年以内が使用の目安です。

目薬については、処方薬は表記に従い開封後1ヵ月前後、市販薬は開封後3ヵ月以内が使用目安です。軟膏・クリームも開封後1年以内が目安です。

商品にもよって異なりますが、それぞれ記載されている表記に従い、使い切りましょう。また、サビのついた剃刀、劣化した紙類、ひびの入ったプラスチックなど、物理的に使えないモノは処分します。

化粧品など、「重複で持っているもの」に気づいた方も多いでしょう。使う頻度以上に度々買ってしまうモノは、「コンプレックス」が影響していることも。普段どのようなきっかけで、どこで買ってきたのか、実際の使用ペースはどれくらいか、1点ずつ手に取りながら点検してみましょう。

買ってみたが自分に合わなかったブランド化粧品は、使用済でもフリマアプリで売却できますし、友人・家族に譲るという手もあります。また全て洗面所におかず、職場のロッカー、鞄のポーチなど、使用場所で分散して定位置を作ることで、消費スピードを早めることができます。

溜まってしまった化粧品サンプルも、洗面所にまとめずに、使用場所に近いところに移すと便利です。例えばジムで使う場合はスポーツ用品の横、旅行で使う場合は旅行鞄の中、または玄関に数点おいて、外出の際にハンカチ類と一緒に持ち出してもよいでしょう。

ステップ2:スペースを分配する

モノの分類が終わったら、次に行なうのが「スペースの分配」です。例えば夫婦であれば、私物の割合は基本的に1:1をキープしましょう。

私物を置くスペースは、マンション(アパート)でいうところの「専有部」、あなたの部屋です。何を置いても自由です。一方、掃除用品や家族共用のクリームなど、複数人が共有しているモノは、「共用部」に置きます。マンション(アパート)でも、エントランスやエレベーターなど、皆で使う空間は専有部とは明確に分かれていますよね。

ステップ3:モノの定位置を決める

スペースの分配が決まったら、最後にモノに定位置を決めていきます。

毎日使うモノから順に、手の届きやすい場所に定位置を定めていきましょう。「モノの前・上にモノを重ねる」のはご法度です。使用頻度の高いモノほどギュウギュウに詰め込まず、2割程度スペースに余裕を持たせます。

入りきらなかったストック品などは、無理に洗面所に詰め込まず、ファスナー付きのビニール袋に詰めて押し入れや靴箱など、他の収納スペースに仮置きしましょう。洗面所は収納量が限られているので、あくまで使用頻度の高いモノの取り出しやすさを最優先します。

洗面所をホテルライクに収納するコツは、毎日使うものを、「吊るす・かける」ことです。水気を含む等で棚の中にしまいづらいアイテムは、出しっぱなしにせず、浮かせて収納しましょう。吸盤を使った収納用具は、浴室内では湿気で外れてしまうこともありますが、洗面所の鏡台では強度を発揮します。

我が家では、コップと洗顔ネットは無印良品のアルミフック(250円)、スポンジとマウスピースはレックの石けんラック(370円)を使用しており、2年経ってもまだ吸盤は健在です。

また、洗濯機の壁面を活用したマグネット収納も便利です。

山崎実業のドライヤーホルダーは、かなりの強度でドライヤーを壁面にサクッとひっかけることができます。100円ショップのマグネットタオルハンガーにS字フックをかけて、ブラシや布巾、ホウキをかけておくのも便利です。水回りを使った後、布巾でさっと一拭きする習慣がつくと、洗面所がいつも清潔に保てます。

「置きっぱなしが定位置」のものをゼロにすると、掃除しやすく、スッキリとした洗面所を作ることができます。ラベルシールやカゴも使いながら、持ち物の定位置を家族皆で把握し、ホテルのような美しい洗面所を維持していきましょう!

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