500匹の猫を守るため、元従業員らが再建案を発表 沖縄最大の猫保護団体が経営悪化

 沖縄県内最大の猫保護団体「NPO動物たちを守る会ケルビム」と「アニマルケアサービス」(いずれも宜野湾市)で、経営悪化や飼育環境の問題を訴えて従業員の退職が相次いでいる問題で、元従業員らは21日、保護猫500匹を守るため、新たな保護施設などを開設するなど、独自の再建案を発表した。

 ケルビムを存続させつつ、関東の保護団体と共に企業支援で動物病院を新設し、元従業員を雇用するという。今後、両団体代表の中村吏佐さんと協議したい考え。近く総会を開く予定だが、協議が決裂すれば、中村さんを事実上解任する案もあるという。

 元従業員らは21日、北谷町のちゃたんにらいセンターで両団体の運営や労働環境の問題点を報告。給与の未払いを含めて総額約1億1千万円の負債があるほか、不衛生な環境や狭すぎるケージで長期間飼育する現状は「動物虐待と言われても仕方がない」と指摘した。

 こうした動きに対して中村さんは、給与の未払いは早急に解消を目指すとしたが、「事実と異なる主張が多い。すでに経営や飼育環境の改善に取り組んでいる。保護活動を続けたいなら別組織を立ち上げた方が幅広い支援につながるのでは」と疑問を呈した。

(嘉陽拓也)
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