通常国会が1月23日開会!3分でわかる国会の仕組みと地方議会との違い

防衛力強化や少子化対策の財源問題、はたまたYouTuber議員の初登院……1月23日に開会する通常国会を前に、様々な話題が上がっています。ニュースをよく見る一方で、国会がどのように開かれているか知っていますか?この記事では、国会の仕組み、地方議会との違いを中心にわかりやすく解説します。

通常国会ってことは「異常国会」もあるの?

1月23日に開会する国会は「通常国会」といいます。

憲法と国会法で、国会は毎年1回、1月に開会すると定められています。国や地方自治体の会計年度は4月始まりのため、1月から次の年に必要な予算案や法案などについて衆議院と参議院で審議することで、新年度が始まる前に大事なことを決めるようにしています。法律で開く時期が定められていることから「通常国会」といいます。

通常国会の会期は6月までの150日間ですが、それ以外の期間はずっと開かれないかというと、そうではありません。内閣が必要と認めた時や一定数以上の議員の要求があったときなどには「臨時会」を開きます。

必要があるときに限られているものの、この10年間では、解散総選挙後の第三次安倍政権下で通常国会の会期が245日間に及んだ2015年を除いて、毎年開かれている状況です。例えば、昨年の臨時国会では、旧統一教会の問題を受けた被害者救済法や、衆議院の小選挙区数を「10増10減」した公職選挙法の改正などを審議し、成立させました。

“通常”国会ではないから“異常”な国会、という訳ではないようです。

地方議会に与党と野党はない!ウソ?ホント?

一方、都道府県や市区町村ごとに選挙で選ばれた地方議員で構成する地方議会も、国会と同じように開かれているのでしょうか?

答えはNOです。地方議会の会期は地方自治法によって各自治体が決めることになっており、基本的には3月・6月・9月・12月年4回開かれます。これらは「定例会」などと呼ばれ、その自治体の予算や条例について審議し、議決します。

議会を構成する地方議員も国会議員と同じく選挙で選ばれますが、国会のように「院」には分かれていません。そもそも、国会と地方議会では制度が異なります。

日本では、国会議員が内閣総理大臣を務め、総理が指名した国会議員などが省庁の大臣を務める「議院内閣制」を採用しています。国会が内閣の母体となっていると言えます。

このため、政権を担当している政党とその政党と連携・協力している政党を「与党」、反政権の姿勢をとる政党を「野党」と呼びます。

一方、地方議会は、議員と自治体の首長を別の選挙で決めています。議員と首長がそれぞれ市民を代表する存在として、行政を動かす「二元代表制」を採用しています。首長は必ずしも政党に所属して選挙に出る必要はなく、むしろ「無所属」で立候補することで政党のカラーに縛られずに広く市民の支持を集めようとする候補者が少なくありません。

そうすると、議会と首長の関係性は明確に与党と野党に分かれているとはいいにくい状況です。とはいえ、知事の方針に対して賛同するトーンが強いか、弱いかで、「与党」「野党」のような関係性に見えることはあります。

で、地方議会ってどんな感じなの?

議会の論戦にも違いが。

国会の本会議では、各党の国会議員が質問し、内閣総理大臣や各省庁の大臣を務める国会議員が応える、国会議員同士の舌戦となります。これに対し、地方議会での議員答弁には首長や、一般の公務員試験などを経て採用された自治体職員らが答えています。

このように、同じ議会でも国と地方自治体では、成り立ちや議会の開会時期など様々な違いがあります。 地方議会は、テレビやネットで議会でのやり取りが拡散される国会に比べれば目立たないのが常です。しかし、都道府県や市区町村が担当している保育園や生活道路の整備、地域医療の充実など、より市民に身近な問題の解決策を話し合う大切な場です。

今年4月には、全国の自治体で一斉に地方選挙が行われる「統一地方選挙」があります。お住いの自治体議会のウェブサイトを閲覧したり、実際に会議を見に行ったりすると、どのような地域課題が話し合われ、どのような提案が出ているかを知ることができます。

投票先を悩んでいるそこのあなた、ご自身の目で一度のぞいてみてはいかがでしょうか?

© 選挙ドットコム株式会社