乗り合いタクシー実証運行好評 串間3地区

実証運行している予約制乗り合いタクシーに乗る住民ら

 串間市は高齢者らの移動手段確保などを目的に、大束、福島、北方地区で予約制乗り合いタクシーの実証運行を行っている。3月末まで、利用者アンケートなどで効率化を図る。利用実績は現時点で目標を上回り、4月以降の本格導入につなげたい考えだ。
 市は2008年からコミュニティーバス「よかバス」を運行しているが、大束地区の一部では「バス停から集落まで遠い」などの意見が相次いだ。そこで新たな公共交通サービスとして、事前予約を受けて運行する乗り合いタクシーの利便性を、昨年10月3日から検証している。
 事前に市へ利用者登録をした上で予約が可能。祝日を含む月~金曜日に、市中心部発の便が午後1時と同4時、大束地区発の便が同2時と同5時の往復計2便運行する。電話は30分前、ウェブは1時間前まで予約できる。
 乗車場所は大束地区では自宅など最寄りの場所を指定できるが、福島・北方地区はよかバスのバス停、もしくは道の駅「くしま」などに限る。料金は大束地区と福島・北方地区にまたがる移動が500円、大束地区内の移動が300円、福島・北方地区内の移動が200円。小学生は半額、未就学児は無料。
 市総合政策課は、2019年度に大束地区を運行したよかバスの利用実績から、半年の利用者目標を90人と設定。昨年11月末までの利用実績は38人で、目標を上回るペースという。北方地区の自宅に戻るため利用した牧野陸子さん(78)は「病院通いなどで便利。大束地区の知人も家まで乗れるので助かっている」と笑顔。同課は「今後も利用者が増えるよう、乗り方教室などを実施して周知したい」と話している。

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