「福井城の中でも格式が高い門」…下馬門に通じる土橋の石垣に感激 福井市で現地見学会

埋蔵文化財調査で見つかった福井城の「下馬門」に通じる土橋の石垣を見学する参加者=1月22日、福井県福井市中央1丁目

 福井県の福井市教育委員会は1月22日、同市のJR福井駅西口の通称「三角地帯」再開発事業予定地で、2022年末に出土した福井城の「下馬門」に通じる土橋の石垣の現地見学会を開いた。市民ら約360人が福井の中心市街地に残る江戸期の歴史遺産に思いをはせた。

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 市が昨年12月から実施している埋蔵文化財調査で、1935年ごろまでに埋め立てられた土橋の石垣が、地表から約2メートル下で確認された。橋の幅は18メートル。石垣は笏谷石製で、大きさは最大80センチ四方。

 見学会では同市教委の白崎一夫さんが遺構の概要を説明。下馬門について、登城した武士たちはこの門の前で下馬しなければならなかったことが名前の由来であることを紹介した。

 見つかった石垣は本丸入り口の「瓦門」や「天守台」と同じ手法で積まれていることから「福井城の中でも格式が高い門」と述べた。このほか、排水の役割を果たしていたとみられる暗渠(あんきょ)が見つかったことなども紹介した。

 参加した越前町朝日小の児童は「きれいに積まれた石垣や水路を実際に見ることができてとても勉強になった。貴重な文化財なので、ぜひ残してほしい」と感激した様子だった。

 発掘調査は1月末まで行われる予定。

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