「すごいイチゴ」「すごくおいしい」農家もびっくり 大きくて甘い新品種「べにたま」 限られた店で購入可

イチゴの新品種「べにたま」を見せる飯塚晃大さん=埼玉県加須市柏戸

 埼玉県熊谷市にある県農業技術研究センターで誕生したイチゴの新品種「べにたま」の人気が高い。加須市北川辺地域では2年前からベにたまの試験栽培を始めたが、イチゴ農家9軒のうち8軒がべにたまを主力に切り替えた。8軒でべにたまの栽培面積は81アールに及ぶ。大玉で形が良く、味の良さに加え、紅色もきれい。農家のハートをとらえている。

 加須市柏戸の生産者、飯塚晃大さん(35)方では、これまで15アールのイチゴ栽培施設で長年「とちおとめ」を栽培していたが、昨年、全てべにたまに切り替えた。「べにたまを試食したところ、味の良さに驚いた。すごいイチゴだなあと実感し、切り替えた」と飯塚さん。

 JAほくさい北川辺支店の須賀大輔さん(37)は「べにたまという品種は、現在登録出願中。今のところ小売りはできないが、当JAを経由して、県内の限られた量販店で販売している。すごくおいしいので、店頭で見つけた際には購入して食べてほしい」と紹介した。

 べにたまの特性は、県によると「大粒で糖度が高く、食味が良く、果皮が痛みにくく輸送に向いている」とある。味にしても、形にしても安定している。ばらつきがない。食べると、しっかりした甘みが感じられる。流通に適しているなど、良いことづくめ。今後に期待を抱かせている。

 飯塚さん方では、昨年11月21日にべにたまをJAほくさい北川辺支店に初出荷した。出荷作業は5月いっぱいまで続く。べにたまは比較的大きめで、形もそろっている。大きいものだと、手のひらに2~3粒しか載らない。たまに驚きのサイズが収穫できる。

 問い合わせは、JAほくさい北川辺支店(電話0280.62.2211)へ。

こんなに大きな「べにたま」も=埼玉県加須市柏戸

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