現役を引退した元日本代表DF槙野智章が、DAZNの「やべっちスタジアム」に出演し、吉田達磨と名波浩というJ監督経験者と語り合った。
現在、槙野はB級ライセンスを持っているが、Jリーグの監督になるにはS級ライセンスを取得する必要がある。
先日、日本代表のコーチ就任が決まった名波さんは、S級を取得する際に教わる経験は新鮮だったとしつつ、こんな指摘をしていた。
「ただ、削ぎ落して欲しいものもある。
S級ライセンスってJリーグの監督をやるためのライセンスじゃないですか、監督なんですよ。
その他の知識も確かに大事です。だけど、B級でもやってるし、もちろん、A級でもやるし。
それにともない、さらにS級で肉付けされたこと…。 『いやいや、それはドクターがやるから。それはフィジカルコーチがやりますよ』(と感じるものもある)。
監督がそれを100(パーセント)知る必要がないんじゃないかなっていうのが何個かあったりするので」
槙野も勉強は必要としつつ、もう少し制度的に柔らかくしてほしいと感じているとのこと。
日本のライセンス制度は欧州に比べて取得に時間がかかる。B級からS級までには最速でも4年かかるのだ(槙野のように日本代表で20試合以上に出場した経験がある場合には2年に短縮)。
本田圭佑も現行のライセンス制に疑問を呈しているが、槙野は本田と一緒にJリーグ側にその話をしているそう。その点について、名波さんはこう述べている。
「本田の意見も多少分かるっていうのはあります。
(ただ)知っておいたほうがいいよっていう知識もあるからやらないわけにはいかない。
(W杯で優勝した)アルゼンチン代表のリオネル・スカローニは40歳になったくらいで代表監督をやってるわけですよ。
そういう風な流れには、今の日本のライセンス制度だとならない」
「そこ(選手が指導者として現場に戻ってくるまでに時間がかかること)を改善して欲しいと言ってるだけで、タダであげましょうではない。
だって、アルゼンチン代表のベンチには(コーチとして)アイマールやサムエル、ベルギーのベンチにはティエリ・アンリがいて、オランダのベンチにはダーヴィッツがいる。
選手がはけ口としてそういう彼ら(若いコーチ)に色んなことを聞いたりするんじゃないですか。
(クロアチア代表のコーチになったマリオ・)マンジュキッチなんか特に言いやすいだろうね、ついこの間まで一緒にやっていたわけだから」
時間がかかるすぎる点については本田と同じ考えでもあるようだ。
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ただ、名波さんは槙野から今後ライセンス制度が変わるかもしれないですかと聞かれると「そこはお前が言ったほうがいい(笑)」とかわしていた。