「大映 4K 映画祭」の『大菩薩峠』4K上映記念トークイベントでヒロイン・中村玉緒が秘蔵エピソードを披露

©KADOKAWA

角川シネマ有楽町にて開催中の『大映 4K 映画祭』。4K初披露の目玉作品の一つ『大菩薩峠』のヒロイン・悪女のお浜と、清純な女性・お豊の一人二役を演じた中村玉緒がトークイベントに登壇、市川雷蔵や夫である勝新太郎、その他スターとの当時の思い出を語った。中村玉緒のキュートな魅力とユーモアで会場は大いに沸き、同時に温かい雰囲気に包まれたイベントとなった。

1月22日(日)『大菩薩峠』中村玉緒トークイベント

※聞き手:樋口尚文(映画評論家 / 映画監督)

©KADOKAWA

──本作『大菩薩峠』で中村玉緒さんはブルーリボン賞助演女優賞ほか数々の賞を受賞され、女優として高く評価されました。演技される上で気をつけていることは?

玉緒

台本をしっかり覚えることです。イントネーションを京都弁から東京弁に変えられるように「てにをは」を徹底的に練習しました。今でも朝昼晩と3回ご飯をしっかり食べていますので、入院するような病気はしたことがありません。

──この『大菩薩峠』では悪女も演じていますね

玉緒

初めての悪女役でした。目なんか、いまは目尻がこーんなに下がっていますが(ぐふふ)、この役では目張り入れてとてもつり上がっていますよね。

──『大菩薩峠』では三隅研次さんが監督でした。

玉緒

監督は演技がダメな時は「カット」、良い時は「カット」を「キャッート!」って言うんです(ぐふふ)。

©KADOKAWA

──『大菩薩峠』で市川雷蔵さんと共演でしたね。

玉緒

雷蔵さんとは幼馴染で仲もよかった。でも、どうしてだかわからないですが主人と結婚することになっちゃったんです(ぐふふ)。「雷ちゃんと結婚すると思ったのに僕と結婚したんだね」と主人にも後から言われました。当時は(この大映俳優二人で)「カツライス」って呼ばれていました。

──他に雷蔵さんとの思い出はありますか。

玉緒

『大菩薩峠』でブルーリボン賞の助演女優賞を受賞したお祝いで雷蔵さんから「お浜殿へ 龍之助より」と書かれた和風のお人形を頂き、とても嬉しかったです。

(※補足:『大菩薩峠』では主人公・机龍之助役を市川雷蔵が演じた。中村玉緒はお浜・お豊の一人二役を演じた)

──『大映 4K 映画祭』では大映の先輩ともたくさんご共演なさってますよね。

玉緒

京マチ子さんも雷蔵さんも、主人も皆さんもう亡くなられていますね…。京マチ子さんは猫を飼われてて京さんのお家で一緒にご飯を頂いた思い出があります。高倉健さんとは品川プリンスホテルでご飯をご一緒しました。運転が慎重な方でした。私と同い年で生きてらっしゃるのは五月みどりさん、水谷八重子さん、なべおさみさんくらいになってしまい寂しいです。

© 有限会社ルーフトップ