宇都宮で結婚、定住を 市が3月にマッチングツアー 東京圏の女性流入狙う

マッチングツアーのサンプルチラシ

 【宇都宮】佐藤栄一(さとうえいいち)市長は23日の定例記者会見で、婚活と移住体験を組み合わせた初めての企画「婚活×移住 宇都宮マッチングツアー」を3月5日に開催すると発表した。市内の名所を巡るバスツアー。東京圏(東京都、神奈川、埼玉、千葉県)への人口流出が課題となる中、出会いの場を提供して市内での結婚、定住を促進する。

 市によると、進学や就職に伴って男女共に10代後半から20代で都市部へ出る人が多い。特に女性は顕著で、市の大きな課題となっている。このため今回のツアーを企画。若い世代の未婚率減少と人口増加に向け、東京圏の女性を呼び込むことを目指している。

 ツアーは、大谷地区の大谷寺や大谷資料館などを見学した後、イチゴ狩りを体験する内容。参加対象は男女とも25~39歳の独身。定員各15人。条件は、女性が東京圏在住で将来的に市内での結婚、居住を希望する人。男性は就労している市民で今後も市内に就労、在住の意思がある人。参加費は女性千円、男性5千円。

 さらに市は、2018年度から実施している「みや暮らし体験事業」を、内容を充実させて実施する。

 2月下旬から参加者を募集。これまでは宿泊付きの市内周遊ツアーがメインだったが、気軽に参加してもらおうと、新たに日帰りコースを設けた。多様な働き方の広まりを受け、テレワークと余暇活動が体験できるプランも用意した。

 佐藤市長は「さまざまな対策を進める中、市の人口減少が加速している」と危機感を示し、「これまでの対策は結婚する人を増やす視点が欠けていたのでは。多様なニーズに対応した事業を実施し、市へのさらなる移住定住の促進を図っていく」と力を込めた。

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