“今季最強”寒波に警戒を 「10年に1度の低温」 24日栃木県内全域で降雪の恐れ

雪の予報を受け、ホームセンターに並ぶ融雪剤=23日午後5時、宇都宮市西川田本町2丁目

 強い冬型の気圧配置の影響で、栃木県内は24日夕方から25日にかけて激しく冷え込み、北部を中心に大雪となるほか、南部でも積雪が予想されている。宇都宮地方気象台は「10年に1度程度の低温になる」としており、行政機関などは23日、“今季最強”寒波による交通障害や水道管の凍結、農業被害などへの厳重な警戒を呼びかけた。

 気象台によると、24日は県内全域で降雪の恐れがあり、最大風速12メートル、最大瞬間風速25メートルに達する強い風にも注意が必要となる。

 雪や寒さは25日にピークを迎え、宇都宮の予想最低気温は氷点下6度。同日午後6時までの24時間降雪量は、多い所で北部山地20~40センチ、北部平地5~10センチ、南部平地1~5センチなどとなっている。民間気象会社「ウェザーニューズ」は23日現在、県北各地で25日の最高気温が氷点下となる真冬日の予報を出している。

 県警は、雪や道路の凍結による交通障害を念頭に「天候が悪ければ不要不急の外出を控えて」と求める。外出する際も冬用タイヤの装着、チェーンの携行、ゆとりある運転の徹底を促す。国土交通省関東地方整備局なども23日、高速道路や国道などへの影響予想をまとめ、発表した。

 宇都宮市上下水道局は水道管の凍結、破裂への対策として、外気に触れている管や蛇口を布などで覆って防寒するなどの手法をホームページで紹介している。

 同市西川田本町2丁目のカンセキ西川田店では、23日の開店から夕方までに融雪剤や雪かきスコップが計約70個売れた。長靴や解氷スプレーの需要も高い。田村博(たむらひろし)店長(55)は「雪予報の影響が如実に出ている」

 灯油販売所では灯油缶を手に列を成す様子も見られた。同市幕田町、主婦増山美子(ますやまよしこ)さん(72)は「雪が降ったら身動きが取りにくいから、早めの補充です」と、満タンにした20リットルタンク二つを車に積み込んだ。

 体調管理への注意も必要だ。県健康増進課は、暖かい部屋から寒い脱衣所・浴室へ行く際などに血圧が急激に上下し、脳卒中や心筋梗塞の危険性を増大させるヒートショックに気をつけるよう訴える。

 農作物への被害も懸念され、県経営技術課は農家に対し、低温時の対策をJAなどを通じて周知した。ビニールハウスの損傷や暖房の作動具合を確認することなどを求めている。

雪の予報を受け、ホームセンターに並ぶ融雪剤=23日午後5時、宇都宮市西川田本町2丁目
灯油を販売するホームセンターの店員。順番待ちの列もできた=23日午後5時15分、宇都宮市西川田本町2丁目

© 株式会社下野新聞社