「昼間定期券」購入 長崎市が半額補助 物価高騰対策、路線バスと路面電車

 長崎市は23日、物価高騰対策として、市内を走る路線バスと路面電車の運賃無料デー実施や、「昼間定期券」販売額の半額を補助する公共交通利用促進事業費2億7500万円を盛り込んだ、総額9億2800万円の本年度一般会計補正予算案など議案2件、報告2件を発表した。26日に開催予定の臨時市議会に提出する。
 同事業は市民の負担を軽減しつつ、新たな需要の掘り起こしと日中の利用喚起を図る狙い。対象事業者は長崎自動車(長崎バス)、県交通局(県営バス)、長崎電気軌道の3社。
 昼間定期券は、長崎バスが既に午前10時~午後5時の時間帯に乗り放題の定期券を月額7千円で販売。今回の事業では残り2社にも同様の定期券を発行してもらい、3社で購入する際に半額で買えるようにする。新年度中に3カ月間実施予定。1カ月当たり1万3千枚の発行を想定する。
 運賃無料デーは新年度中の日曜か祝日のうち8日間実施する計画で、経費相当額を市が負担する。いずれも国の地方創生臨時交付金を活用する。
 田上富久市長は会見で「コロナ禍での混雑緩和や事業者の採算などの面で通勤時間帯に集中するのではなく、1日の利用を平準化するのが公共交通の目指すべき方向」と語った。


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