高校生検討委「部員の意見、尊重を」 部活ビジョン、4者に向け発信 指導者・学校・仲間・保護者へ

 暴力や暴言、ハラスメントのない部活動を目指し、生徒自身が部活動のあるべき姿や目指す方向性を協議する第3回高校生検討委員会(県教育庁主管)が17日、沖縄市のコザ高校で開かれた。前回の内容を踏まえ、今後策定する県高校生部活動ビジョン(仮称)を(1)指導者(2)学校(3)仲間(4)保護者―の4者に向けて発信することが決定。生徒たちは、部員の意見を尊重することや積極的なコミュニケーションなど、各関係者に求める具体的なメッセージ案を練った。

 初めに、指導者に向けてのメッセージ案を個人で考え付箋に書き出した。「気分によって態度や言葉を変えないでほしい」「意見を言いやすい雰囲気をつくってほしい」などの自分の意見を、各グループ内で共有し、より意図が伝わる文章や言葉に整理した。

 学校に向けたメッセージは「設備のメンテナンスをしてほしい」「ハラスメントをする指導者を厳しく指導してほしい」などの意見が出た。指導者の教え方や設備に関する実態調査を定期的に実施するよう求める声もあった。

 あるグループは指導者に向けて「私たちの意見を聞いて、指導方法や雰囲気づくりを考えてほしい」、学校に対して「小さなことでも向き合い、ハラスメントを行う指導者に対して指導をし、生徒が安心して文武両道を目指せる学校をつくってほしい」とメッセージを形づくった。部員の仲間には「お互いに助け合い、素直な意見を言い合える雰囲気をつくる」という案も。別のグループは、指導者に「部員は人形ではない。お互いを認めて熱い指導を」と求めた。

 議論に参加したある2年生(17)は「前回よりも完成に向けて前進できた」と振り返った。自身は指導者と意思疎通しやすい環境で活動する。一方、他のメンバーからは「指導者からの“圧”があるという悩みも聞いた」といい「指導者との何気ない会話など、普段の雰囲気づくりがよりよい部活につながると思う」と話した。

 (吉田早希)

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