12~1月 景気「持ち直し」3カ月連続で維持 日銀長崎支店

 日銀長崎支店が23日に発表した昨年12月~1月の県内金融経済概況によると、景気は「全体的に持ち直している」として、3カ月連続で判断を据え置いた。年末年始の新型コロナウイルス感染拡大や物価上昇の影響は受けつつ、消費全体としては持ち直しを維持している。
 個人消費は「持ち直している」、観光は「回復している」。そのほかの各項目でも前回判断を据え置いた。スーパーやドラッグストアなどで高齢者層の来店減少、飲食店で年末年始の宴会キャンセルなど感染症の影響がみられ、物価上昇による節約志向が表れた。
 一方、年末年始の家族での外食や総菜の販売などは好調に推移し、自動車や家電など耐久財も堅調。県外観光客の回復が、県民による消費の一部慎重化の動きをカバーしていることから、「判断を引き下げる必要はないとみている」とした。
 鴛海健起支店長は、先行きについて▽物価上昇▽感染症の動向▽海外経済の減速-を挙げ「先月よりも下振れ方向のリスクが大きくなってきている」とした。物価が高止まりする中、景気を押し上げている県外観光客の消費が一服した場合、「日常消費行動の慎重化が景気にストレートに出てくる恐れがある」と指摘。「こうした状況を回避できるかどうかを左右するのは賃金改善。経営の持続性の前提となる働き手の確保を意識した上で、県内企業に賃上げの動きが広がるかを期待を持って見たい」と述べた。


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