子どもの「SOS」早期発見へ 小中学校などで「匿名相談アプリ」試験運用 広島・府中市

アプリを活用して、子どもたちがさまざまな悩みを匿名で相談できる取り組みが、広島県府中市で始まっています。

広島県府中市の義務教育学校「府中学園」です。

子どもたちは、それぞれの学習用端末を使って、匿名で相談できるアプリ「STANDBY」について教わりました。

このアプリは、悩みごとを入力して送信すると、専門の相談員が対応して教育委員会などに共有される仕組みです。平日夕方から夜の時間帯は1対1のチャット方式でのやり取りもできます。

孤独や孤立を対策する国の事業の一環で、府中市が市内全ての小中学校と義務教育校で来月末までの試験運用を始めました。

府中市教委 学校教育課 大川幸雄 課長
「子どももさまざまな制限がかかる中で悩みやストレスを抱えていると思う。誰にも相談できない悩みを1件でも吸い上げることができたら、十分効果があったと言えると思う」

学習用端末は自宅に持ち帰ることができるため、場所や時間を気にせずアプリを利用できます。相談しやすい環境を整えることで、子どもたちの「SOS」を早期に発見するのが狙いです。

府中学園 5年生
「匿名でできるので良いと思った」
「相談できなかったときに使ってみようと思った」

府中市教育委員会は、効果を検証して今後の導入を検討するとしています。市教委によりますと、広島県内の学校で匿名相談アプリを取り入れるのは、今回が初めてだということです。

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