決算審議の遅れ巡り早くも対決ムード 岸田首相「国会で決めた」、野党「責任転嫁だ」 自民内からは懸念も

 国会での2021年度決算の審議が通常国会にずれ込んだことを巡り、岸田文雄首相は24日の参院本会議で「国会で決めたこと」として遅れに対し内閣に責任はないとの見解を示した。「良識の府」とされる議場からは「責任転嫁だ」などと野党の怒号が飛び、25日の各党代表質問を前に早くも対決ムードに包まれた。

 前年度決算は通常、政府から秋の臨時国会に提出され審議される。年末の予算編成などに反映することが目的だ。しかし、先の臨時国会では財務相の外遊で予算委員会の開催が遅れたことに加え、閣僚の辞任が相次ぐなどして審議が見送られた。「国会で決めた」との答弁には、自民党内からも「先の臨時国会冒頭の日程調整で、官邸の配慮が欠けていたのは事実。少しは謙虚にならないと入り口から野党は硬化するばかりだ」(閣僚経験者)との懸念が漏れる。

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