NPOが困窮世帯に給付金を支給…当事者にいかに有益な情報を届けるかも課題

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。1月18日(水)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、NGO団体が行う困窮世帯への給付金支給に関するニュースを取り上げました。

◆NGO団体が困窮世帯を対象に中学・高校入学時に給付金支給

中学・高校入学時にかかる費用を支援しようとNGO団体「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」は、経済的に困窮する世帯を対象に給付金を支給すると発表。申請は、オンラインで2月8日(水)まで受け付けています。対象は、児童扶養手当の全額受給世帯や家族を介護・世話する子ども「ヤングケアラー」のいる家庭などで、中学入学時に3万円、高校入学時に5万円が支給されます。

同団体が2022年に実施した調査によると、経済的困窮世帯の保護者の77.5%が卒業や就学のうち、特に負担を感じる費用として「制服代」と回答していたということです。

◆いかに有益な情報を届けるかも課題のひとつ

このニュースを注視するアフリカの紛争問題を研究する東大院生の阿部将貴さんは「こうした取り組みは他にもあり、やっているNGOはたくさんあるが、一番の問題は当事者がこうした情報を知ることができないこと」と訴えます。

というのも、困窮世帯では高校生であれば放課後にアルバイトに明け暮れ、家に帰っても宿題と忙しい日々を送る子どもが多く、「こうした情報に触れる機会がない」と阿部さん。「そうした方々に、いかに有益な情報を届けるのかが次のステップとして必要」と主張します。

阿部さんは遺児への奨学金の貸し出し、支援を行う「あしなが育英会」の非常勤職員としても活動しています。そこではどういったアウトリーチが取られているのか聞いてみると、まずは「同会への奨学金の申請も毎年最多を更新している。それぐらい困窮世帯が広がっている」と厳しい現状を明かし、その上であしなが育英会が重視し、活用していることとして"LINE”を挙げます。

あしなが育英会では奨学金受給と同時に公式LINEに登録してもらい、そこに今回のセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの情報をはじめ、有益な情報を一方的に送っており、そこに支援関連のURLも明記し、すぐにアクセスできるようにしていると言います。他にも、いろいろと工夫をしているものの、阿部さんは「まだまだ模索中」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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