長崎県内暴風雪 交通に乱れ 全観測地点で今季最低気温を更新

雪の影響とみられる渋滞が発生した佐世保市中心部。救急車も巻き込まれ、車両の間を縫って進んでいた=24日午後4時半、同市島瀬町

 この冬一番の寒気が流れ込み、強い冬型の気圧配置となった影響で、長崎県内は24日、雪を伴った強風が吹いた。長崎地方気象台は、県内ほぼすべての地域に暴風雪警報を発表。夜にかけて交通に乱れが生じ、大雪に備えて足早に帰宅する人の姿が多く見られた。
 気象台によると、対馬市鰐浦で最大瞬間風速27.8メートルを記録。最低気温は雲仙岳マイナス8.8度、鰐浦マイナス5.3度、佐世保マイナス3.3度などで県内18の全観測地点で今季最低気温を更新した(午後5時現在)。26日にかけて気温が低い状態が続き、10年に1度の低温となる見込み。
 降雪量は25日未明にかけてピークとなり、同日午後6時までの24時間降雪量は南部と北部の山地で20センチ、南部と北部の平地、壱岐・対馬、五島で10センチの予想。気象台は積雪や路面凍結による交通障害、水道管の凍結、農業施設の管理などに引き続き警戒・注意を呼びかけている。
 県警によると、県道や国道など計38カ所で交通規制を実施(24日午後5時現在)。長崎市内では凍結や車両の立ち往生などの影響で長崎バスが午後8時、県営バスは同9時以降、一般路線バス全便の運行を見合わせた。佐世保市中心部の国道では雪の影響とみられる渋滞が発生。少なくとも2キロ以上続き、救急車が巻き込まれる場面もあった。

雪が降る中、普段より約30分早めに下校する子どもたち=24日午後2時47分、長崎市下西山町

 強風の影響で九州商船や九州郵船はほぼすべての便を欠航。空の便も日本航空など計15便が欠航した。JR九州によると、西九州新幹線(武雄温泉-長崎)は徐行運転により上下線各1本が20分弱遅延した。
 長崎市中心部で開催中の長崎ランタンフェスティバルでは、強い風の影響でランタンが複数落下。けが人はなかった。24日に予定されていたサプライズイベントはすべて中止し、25日については当日の状況を見て判断するとしている。
 各市町の教育委員会などによると、24日は下校時間を早めた小中学校もあり、大村市立小中学校は臨時休業の措置をとった。半数以上の県立高は下校時間を早めた。25日は休校を決めた学校もあるという。
 このほか、諫早市上下水道局によると24日、水道管凍結の報告が7件あった。


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