「総PFAS」の許容量検討へ 環境省と厚労省、情報収集へ

 【東京】環境省と厚生労働省は24日、有機フッ素化合物(PFAS)の暫定指針値に関する専門家会議を開き、暫定指針値が設定されているPFOSやPFOAだけでなく、複数のPFASの総量「総PFAS」(仮称)で許容量などを検討する方針を示した。

 今回の会議とは別に新たに設置して30日に初会合を迎える「PFASに対する総合戦略検討専門家会議」で具体的な内容を話し合う。両省は、人体への影響が明確にならず基準設定には至らないが、注視して知見やデータの収集に努める項目として「総PFAS」を追加するかどうか検討する。

 世界保健機関(WHO)が今後、飲料水について総PFASのガイドライン(指針)値を設定する方向で議論しているのに合わせた対応だ。WHOは総PFASの指針値として約30物質の合計1リットル当たり500ナノグラムとすることを検討している。

 24日の専門家会議は総PFASの考え方を取ること自体に賛同した。委員の一人、西村哲治帝京平成大学大学院教授は「将来的にPFOSやPFOAが減っても、他の代替物質が増える可能性がある」として総合的にPFASを捉える重要性を強調した。

 (明真南斗)

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