日本一「チャイナドレスが似合う女性」 浦川さん(長崎出身)グランプリ 苦難克服し輝く

ミセス・マンダリン・チャイナドレスコンテストでグランプリを受賞した浦川美智子さん=長崎市、新地中華街

 長崎市で開かれている長崎ランタンフェスティバル。開幕前日の21日、試験点灯中の長崎新地中華街(新地町)で黄金色に輝くチャイナドレスを身にまとった女性がカメラに向けてポーズを取った。観光客らの視線が集まる中、通りかかった幼い子が「人魚みたい」と目を輝かせた。
 女性は同市出身で一般社団法人ワールドトップビューティー(新潟市)の校長、浦川美智子さん(49)。昨年8月に東京で開かれた日本一チャイナドレスが似合う女性を選ぶ「ミセス・マンダリン・チャイナドレスコンテスト」でグランプリを受賞した。コロナ禍のため4年ぶりに帰郷。24日は県庁に大石賢吾知事を訪ね、受賞を報告した。
 20代後半から長崎のテレビ番組に美容研究家として出演。ミス・ユニバース長崎実行委員会でスカウト活動なども経験した。40代で東京の芸能プロダクションのマネジャーを務め、若手の育成に力を入れた。
 長年、美容や芸能の世界で生きてきたが、今回の受賞までには苦難もあった。2021年、「ミセス・インターナショナル」ヴィーナス部門でファイナリストになったが、賞の獲得は逃した。「どこか本気で挑めていなかった。正直、落ち込んだ」
 コロナ禍で人との接触機会が限られる中、何かを紛らわせるように飲酒量が増えた。「毎日のように家で4時間くらい飲んだ」。約1年後、慢性心不全と診断された。医師から「このまま飲み続ければ死ぬよ」と告げられた。
 チャイナドレスコンテストの存在を知ったのは、ちょうどその頃。「トップを目指す若い人の手伝いはしてきたけど、自分は日本一になっていない」と挑戦を決めた。世界レベルのコンテストで活躍してきた人たちにポージングやスピーチなどの指導を依頼。一切妥協せず準備を進めた。
 昨年8月27日の決勝。ファイナリスト5人がステージに上がった。「みんな自分より若いし、きれいで背も高かった」が、「やれることはやった」という自信で堂々と自分を表現。グランプリに決まり、「やっとスタートラインに立てた」と感じた。これからもいろんな人を輝かせていくつもりだ。


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