【群馬大学医学部附属病院】ロボットが持参薬や処方薬、飲み殻を鑑別/ロボットへの代替で医療インシデント低減や医療従事者の稼働削減目指す/総務省5G実証実験

【2023.01.25配信】群馬大学医学部附属病院は1月30日から3月17日まで、ロボットが患者の持参薬や処方薬、飲み殻を鑑別する実証実験を行う。総務省が実施する「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」に参画するもの。薬剤の種類の増加に対応する「AI技術を用いた薬剤鑑別」の仕組みや、医療従事者が行っていた業務の「ロボット」への代替により、医療インシデントの低減や看護師・薬剤師などの稼働削減を目指すとしている。

国立大学法人群馬大学、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)、株式会社ユヤマ、ウルシステムズ株式会社、PHC株式会社は、実証実験を行う。ローカル5G環境を構築し、AI・薬剤自動認識装置を搭載した自立走行型ロボットによる、患者持参薬の確認および処方薬の配薬・服薬確認などを行うもの。

群馬大学医学部附属病院をフィールドとして、医療インシデントの原因となっている、薬剤の種類の増加に対応する「AI技術を用いた薬剤鑑別」の仕組みや、医療従事者が行っていた業務の「ロボット」への代替により、医療インシデントの低減や看護師・薬剤師などの稼働削減を目指す。「ロボット」を介し「患者」への医療支援を目標とする医療分野では類を見ない先進的な取り組みとしている。

人や特殊機器が多数行き交い、遮蔽物が多く、電波干渉の可能性が高い医療現場の環境に対応するため、最新のローカル5G技術である分散アンテナ技術を採用。カバレッジの広域化と干渉影響の低減が可能となる無線ネットワーク下で、医療機関内における効率的・効果的な課題解決を実証する。
ローカル5Gにより、ロボットの安定制御・走行やさまざまな種類の薬剤鑑別をおこなうために、上下2つのカメラから照明角度、露光時間を変えた複数枚の撮影画像をリアルタイムに解析サーバへ伝送し、AIで解析すると取り組みを行う。
退院後にも、病院とかかりつけ薬局の情報連携や、薬局における患者情報(既往歴やアレルギー歴)の参照、服薬確認といった、地域における一気通貫の薬剤トレーサビリティの仕組みを構築。病院のDX化だけではなく、地域の関連施設間の情報連携により、住民が安心安全に地域に暮らせる地域包括ケアを目指す。

実証期間は2023年1月30日~2023年3月17日。
以下の目的を目指す。
・医療インシデント、特に薬剤に関連する医療インシデントを減らし、医療事故のリスクを低減
・医療従事者の労働支援を通じた時間創出・働き方改革を実現
・院内外の連携による地域における安心安全な先進的薬剤トレーサビリティを実現

院内外の次世代薬剤トレーサビリティを構築し、同様の課題を抱える大学病院や地域中核病院に活用いただくことで、医療業界全体の業務効率化および安心安全な医療サービスの実現を目指したいとしている。

実証のイメージ図は以下の通り。

病棟巡回ロボットのイメージは以下の通り。

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