【連載コラム】MLB全30球場を制覇 第7話 東海岸の旅 歴史と今が交差する巨大倉庫と野球場

澄み渡る青空。美しい芝。白球が奏でる音に、歓声が重なり合う。最高峰のプレーに心躍り、熱く盛り上がる場所。今年アメリカ中を飛び回り、MLB全30球場を制覇したスポーツアナウンサー福田太郎が、あなたを「夢のボールパーク」にお連れします。MLBスタジアムの世界へ、ようこそ。

2野球場に310メートルの巨大倉庫

開業30周年を迎えた「オリオールパーク・アット・カムデンヤーズ」は、球場内の至る所に、愛らしく楽しげな鳥たちが描かれています。「Baltimore Oriole(=ボルチモア・ムクドリモドキ)」文字通りチーム名の由来にもなった、地元メリーランドで愛される州の鳥です。

[鳥さんの可愛い絵がたくさん!](

スタジアムに素晴らしい景観をもたらしてくれるのが、ライトからセンターにかけて続く、巨大なレンガ造りの建物です。築117年、全長約310メートルの圧倒的な存在感。かつては鉄道の倉庫として使われていた「ボルチモア&オハイオ・ウェアハウス」の、外観をそのままに、内観をリノベーション。球団事務所のほか、チームストア、カフェテリア、スポーツバーが並び、歴史と今が交差する場所になりました。

オリオールパーク・アット・カムデンヤーズへ

アメリカ東海岸のMLBスタジアムを巡る旅。その続きに出発しましょう。フィラデルフィアからボルチモアまでは、鉄道アムトラックで1時間ほど。車窓には、アメリカ屈指の港町へと繋がる、雄大な川の流れを臨みます。駅から車に乗り換え15分で、街の中心部に。高層ビルを抜けて、レンガ造りの大きな建物が見えてきたら…Oriole Park at Camden Yards! Nice to meet you!

[夕暮れ時が、特に美しい!](

Ballparkの楽しみ方

港町ならではの、アメリカン・シーフードを堪能しましょう。「クラブケーキ・エッグロール」は、カニの身がぎっしり詰まった揚げ春巻きのようなもの。ポン酢ソースの酸味との相性も抜群です。「モ・ガバズ・フライドシュリンプ」は、プリップリのエビフライ。売上につき1ドルが、難病と闘う子供たちのために寄付されます。MLBスタジアムの中でも指折りの、美味しい料理でお腹を満たしたら、球場散策に出かけましょう!

[MLB屈指の美食スタジアム!](

外野スタンドにある「ユートウ・ストリート」が、人気のスポットです。通りを歩けば、名物の倉庫1階のチームストアやレストランを楽しめます。

また足元には、無数のメダル(丸い金属板)があって、ホームランを打ち込んだ選手の名前や飛距離が、ボールの落下地点に埋め込まれています。オリオールズに限らず、全チームのホームランバッターがいるので、お気に入りの選手を探してみてください!

センター側の入り口付近まで歩けば、ボルチモアで生まれた野球の神様、ベーブ・ルースさんの銅像が立っています。過去にタイムスリップしたような、どこかノスタルジックな雰囲気を、ぜひ楽しんでください!

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福田太郎(ふくだ・たろう)/ 1991年生まれ。HTB北海道テレビ放送アナウンサー。プロ野球の実況中継や、朝の情報番組MCを担当した後、2022年2月から11月まで休職。MLB全30球団・ボールパークを訪ね、世界最高峰のスポーツエンターテイメントを学び、12月に復職。写真:福田太郎

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