本州四端首長が交流会議 コロナ禍、串本で3年ぶり

3年ぶりに開かれた「本州四端首長交流会議」で最南端の地を訪れ、記念撮影をする本州4端の首長ら(和歌山県串本町潮岬で)

 本州東西南北の4端に位置する4市町の首長が集う「本州四端首長交流会議」が21日、本州最南端の和歌山県串本町であった。コロナ禍の影響で3年ぶりの開催で、串本町では6年ぶり。4端を訪れた人に証明書と記念品(箸)を贈る「本州四端踏破ラリー」の踏破人数が2022年に過去最多となったことなどが報告された。

 串本町と、最東端の岩手県宮古市、最西端の山口県下関市、最北端の青森県大間町では2004年1月、「最端の地」という特性を生かして観光振興や地域活性化につなげようと「本州四端協議会」を設立。2007年度からはさらに交流を深めようと、東西南北の順に首長による各地訪問を続けており、今回で11回目。

 関係者は20~22日の日程で串本町を来訪した。同町サンゴ台の町役場で21日に会議があり、同町の田嶋勝正町長をはじめ、山本正徳宮古市長、前田晋太郎下関市長、野﨑尚文大間町長が出席。田嶋町長は「遠路お越しいただき、本当にありがとうございます。コロナもあって会議が2年ほど延期になり、今年もできるのかなと心配しながら進めていたが、こうして一堂に会していただきうれしく思っている。それぞれの地域の特色を生かして連携しながら地域の活性化に一層努めていきたい」とあいさつ。

 事務局が事業報告として「本州四端踏破ラリー」の踏破人数が22年は467人で、19年の426人を上回って過去最多を更新したことを紹介。「20、21年はコロナ禍の影響で少なくなっていたが、その反動や全国旅行支援の効果もあったと考えている。年齢別で見ると、20~30代でほぼ半数、住所別では関東地方が圧倒的に多くて全体の4割を占めている」と説明し、今後もPRに努めていくと述べた。04年に始まった事業で、昨年12月末までの累計は4175人になった。

 会議では、23年度以降の事業案も決め、写真共有アプリ「インスタグラム」を活用した「四端写真コンテスト」や、各市町にふるさと納税をした人に応募してもらって、抽選などで協議会から賞品を贈る「ふるさと納税ラリー」などを計画した。

 一方、以前から計画していた4端を巡るクルーズ客船の誘致事業については、コロナ禍の影響や想定していた客船の事業終了を受け、事務局が「事業の実施は当面困難。将来的に再事業化できるように検討を続けていきたい」と説明。首長からは「クルーズ客船には期待しており、発信力や魅力も詰まっている。引き続き事業化できるよう検討し続けてほしい」といった声が出ていた。

 この日、首長らは、串本町田原にできた民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」や同町樫野のトルコ記念館などを視察した後、本州最南端の地である同町潮岬で記念撮影をしたり、望楼の芝で3年ぶりに開かれた「本州最南端の火祭り」に参加したりした。

 来年度は大間町での開催を予定している。

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