強い寒気、交通網乱れる 田辺市街地で積雪

屋根が真っ白になった田辺の市街地(25日午前7時45分ごろ、和歌山県田辺市新万で)

 近畿地方の上空約1500メートルに、この冬一番となる氷点下12度以下の寒気が流れ込んだことから、24日夜から25日にかけて和歌山県の田辺市街地など紀南地方で雪が降り、積雪が見られた。交通網が乱れ、一部の学校で自宅待機となるなど生活に大きな影響が出た。

 国土交通省紀南河川国道事務所によると、25日午前8時半ごろ、白浜町椿の国道42号で、約90台の車両が動けなくなった。この解消と除雪作業を進めるため、同町の南紀白浜インターチェンジ(IC)入口交差点からすさみ町の道の駅すさみ前交差点まで(36.8キロ)を通行止めにした。また、紀勢自動車道(38.4キロ)と那智勝浦新宮道路(15.2キロ)は24日深夜から通行止めにしている。いずれも25日正午現在、解消のめどは立っていない。

 一般道路も混乱した。田辺署や白浜署によると、追突や単独事故が相次ぎ、渋滞も各地で発生した。上り坂で動けなくなった車もあったという。

 26日朝も路面凍結などが予想される。田辺署は「冬用タイヤやチェーンを装着していない場合、不要不急の外出は控えるなど事故に注意してほしい」と呼びかけている。

 JR西日本は、紀勢線の周参見―新宮間で25日始発から在来線の運転を見合わせた。同日午後以降に準備が整い次第、運転を始めるとしている。紀南と大阪方面とを結ぶ特急「くろしお」も運転していない。

 日本航空は、南紀白浜―羽田(東京)間の定期便について、25日の3往復(6便)を欠航した。

 小中学校にも影響が出た。田辺市では本宮地区と近野の小中学校が臨時休校となった。それ以外は通常授業としたが、授業の開始を遅らせた学校もあった。

 一方、白浜町では、4校が休校。授業開始が遅れた学校や午後の授業をやめた学校もあった。すさみ町は全小中学校を臨時休校とした。上富田町も登校が遅れた児童生徒がいた。

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