大人やれやれ、子ども歓喜 最強寒波到来の朝

雪で遊ぶ田辺第一小学校の児童(25日午前8時15分ごろ、和歌山県田辺市上屋敷1丁目で)

 朝起きると一面銀世界。25日朝、和歌山県紀南地方には珍しい雪景色が広がった。通勤する車の大半は冬用タイヤを装着しておらず、ゆっくりと慎重な運転。職場についても雪かきなどの作業に追われる人が多かった。一方、子どもたちは通学時からテンションが高まり、学校に到着するなり、運動場で雪合戦を始めていた。

 午前8時ごろ、田辺市街地の屋根は真っ白。駐車している車もすっぽり雪に覆われていた。幹線道路の雪は溶けていたが、少し脇道に入るとシャーベット状の雪が残る。立ち往生するトラックや交差点での事故などもあった。

 事故や渋滞を避けるため、リュックを背負い、缶コーヒーで手を温めながら、徒歩で通勤する姿も見られた。

 南国イメージの観光地も風景が一変。白浜町の白良浜は一面雪に覆われ、雪原に姿を変えた。風も強く観光客の姿はなかった。千畳敷など他の観光スポットも同様だった。

 大人には大迷惑な積雪も、子どもには一大イベント。田辺市上屋敷1丁目の田辺第一小学校の児童は、登校してくると、白銀のグラウンドに出て、雪だるまを作ったり、雪合戦をしたりして楽しんでいた。5年生の佐々木萌さん(10)は「めったにないことだから楽しい」と笑顔だった。

 SNS(交流サイト)にはこの日、すさみ町や串本町、那智勝浦町などからも「珍しい雪景色」の投稿が相次いだ。

一面に雪が積もった白良浜(25日午前8時半ごろ、和歌山県白浜町で)
デッキブラシで雪をかくJAの職員(25日午前8時20分ごろ、和歌山県田辺市南新町で)
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