クロウサギが「種の運び屋」 希少植物の維持に貢献

ヤクシマツチトリモチ(末次健司教授提供)

 鹿児島県の奄美大島と徳之島だけに生息する特別天然記念物で絶滅危惧種のアマミノクロウサギが、同様に絶滅が懸念されている希少植物「ヤクシマツチトリモチ」を食べ、種を別の場所に排せつすることで分布域の維持や拡大に貢献する「運び屋」の役割を担っていることが分かったと、神戸大の末次健司教授(植物生態学)らのチームが25日までに発表した。

 ヤクシマツチトリモチは他の植物の根に寄生する光合成しない植物で、0.3ミリ程度の果実が数千~数万個集まりキノコのように見える。ウサギは主に植物の葉を食べると考えられてきたため、実を食べて種を運ぶ役割が明らかになるのは珍しいという。

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