「速さをしっかりと結果に」TGR TEAM ZENT CERUMOの立川&石浦が2023年の逆襲目指す

 1月24日、三重県の鈴鹿サーキットでスーパーGT GT500クラスに参戦する8台の車両が参加しメーカーテストがスタートした。2日目となった1月25日は、24日夜から降り出した降雪のためキャンセルとなってしまったが、テスト初日、今季9年目のコンビとなるTGR TEAM ZENT CERUMOの立川祐路と石浦宏明に2023年シーズンへの意気込みを聞いた。

 2015年から続く立川と石浦のコンビは2023年が9年目。人気、実力ともトップクラスのふたりではあるが、2016年、17年と1勝を飾り、ランキングも4位が4回とチャンピオン争いに絡みながらも、2020〜21年はふた桁順位と苦戦を強いられた。

 迎えた2022年は新たな体制を構築し、予選で上位争いも頻繁に展開したものの、決勝では第3戦鈴鹿、第4戦富士、第5戦鈴鹿、第7戦オートポリスとトラブルが多発。ランキング13位とまさかの順位に終わった。レース序盤は完走したレースでは必ずポイントを獲っていただけに、速さが結果に伴わないシーズンとなったのは間違いない。

 本人たちも持っている印象は同様のようだ。TGR TEAM ZENT CERUMOは2022年12月にオフ1回目のテストをモビリティリゾートもてぎで行ったが、1月24日から鈴鹿でオフ2回目のテストに臨んだ。カーボンブラックの状態となったZENT CERUMO GR Supraを駆り、2022年のテスト初日は多くの周回を走り込んだ。

 午前を担当した立川に今季の意気込みを聞くと、シンプルに「がんばるだけです」と意気込んだ。

「昨年はいろいろなことがあり、まともにレースをできたことが少なかったです」と昨シーズンを振り返りつつ、「今年はしっかりと戦い、きちんと結果を残したいと思っています」という立川からは、少ない言葉ながら目標がしっかりと定められていることが感じられた。

 そして午後を担当した石浦も「速さとしては出せているレースもあったと思うんです。近年のなかでは結果が残らないシーズンでしたが、前を走ることは多かった。あとは結果に結びつけられるかどうかだと思っています」と2022年の戦いを分析しつつ、新シーズンへ向け意気込みを語った。

「昨年起きた問題についてはしっかり対策もされていますし、まだ起きていないことをいかに起こさないようにするか。そのために事前に準備をしていますし、体制も変わったりしています。みんなで補いあいながら戦える雰囲気でテストも進められています」

 トラブルがなければ、結果も残せるはず。ただ石浦は「あとは自分がいかに良い走りができるか」がチームのムードを盛りたてるために重要だという。

「ピリッとした雰囲気のなかで走れるようにすることも自分にとって大事な仕事だと思っています。まず自分の仕事に集中し、結果を残したいと思っています」

 三度のチャンピオンを誇るチーム、そして立川にとって、そしてもちろん石浦にとっても、この3年の成績は決して納得がいなかいものだ。名門復活へ向け、TGR TEAM ZENT CERUMOはオフの動きを加速させていく。

1月24日の鈴鹿メーカーテストを走るZENT CERUMO GR Supra
TGR TEAM ZENT CERUMOの38号車GRスープラ
1月24日の鈴鹿メーカーテストを走るZENT CERUMO GR Supra

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