井桁弘恵が「自由な女神 ―バックステージ・イン・ニューヨーク―」で主演。武田真治が伝説のドラァグクイーンを体現

フジテレビ系では3月4日から、連続ドラマ「自由な女神 ―バックステージ・イン・ニューヨーク―」(土曜午後11:40=東海テレビ)がスタート。井桁弘恵が主演を務め、武田真治が共演する。

「自由な女神」は、「comipo」「DLsite comipo」「めちゃコミック」「コミックシーモア」「ピッコマ」などで配信中の、オーツカヒロキ氏による「バックステージ・イン・ニューヨーク」を原作に、舞台をニューヨークから東京に移してドラマ化するもの。空気を読み過ぎるさえない女子が、自分を解放してファッションデザイナーとして評価されるまでの成長を描く。三角関係あり、ファッションありの、ちょっとディープな上京物語だ。

井桁が扮(ふん)する主人公・サチこと渡辺幸は、地方の工務店に勤務。幼くして母親を亡くし、父親と2人で暮らしている。無意識のうちに、ありたい自分を封印し、職場でも求められる役割を演じている。世間体を気にし、旧態依然とした価値観の持ち主である父の影響だ。
洋服を作るのが趣味だが、それを仕事にする才能は自分にはないと思い込んでいる。そんな時、ドラァグクイーンのクールミントと出会い、上京。デザイナーを目指すことになる。

一方、武田は、知らない者はいない伝説のドラァグクイーンのクールミントこと、成田透役を務める。クールミントは、昼間はフリーのメークアップアーティストとして働いており、都内で「リトルニューヨーク」というクラブを経営していている。幼い頃、経済的な理由から養子に出された過去も。育ての親に自身がゲイであると言えず、居場所を求めてニューヨークへ行くも、挫折し帰国。その後、豊富な人生経験を生かして、ショーを通して多くの悩める人の人生を変えてきた人物だ。

井桁は「とにかく登場人物の人間味が豊かな作品なんです。台本を読んで私自身、サチに共感するところがとてもたくさんあり、『早く演じたい!』と思う気持ちが抑えられませんでした」と作品の印象を明かし、「サチはお洋服を作るのが大好きで、優れたセンスや技術も持っているのですが、それを『自分の仕事にする』という発想が持てないまま、田舎の町で悶々(もんもん)と暮らしている、という女の子です。そのサチが、武田さんが演じるクールミントさんに出会うことでどう成長していくのか、というのがこのドラマの大きな見どころです」と見どころを紹介。

また、「サチを演じるにあたって、“洋服を作るのがうまい女の子”という設定だったので、まず裁縫の練習やデザイン画を描く練習もさせていただきました。そうしたレッスンをすることで、お洋服を作るっていうのは、こんなに工程があって、こんなに大変なんだな、ということを今回すごく思い知りました」と役作りにも触れる。

加えて、「このドラマは、サチが、クールミントさんをはじめ、いろいろな人と出会うことによって、自分の性格を見つめ直し、自分の将来を考え直して、少しずつ前に進んでいく過程を見ていただける作品だと思います。私自身、福岡から東京に出てきたのですが、福岡に居た時は、『人生でこれをやりたい!』といった具体的な夢はあまり持っていなかったんですね。人から導かれるままに、周りの人の助言などに支えられながら今に至っていまして。まさに私は、自分のリアルな人生でも、このドラマのクールミントさんみたいな人たちとの出会いに恵まれて、今の、この女優のお仕事ができていると思っています」と自身の経験も重ねて、共感を寄せる。

そして、「見てくださる方全員に、人生で何か新しく一歩を踏み出す時の力を与えられるような、そんな作品になっていると思っています。ぜひともたくさんの方に見ていただきたいです。よろしくお願いします!」とアピールしている。

鍛え抜かれた肉体美で異次元の美しさに挑む武田は、「オファーをいただいて、原作のコミックをすぐに入手して読んだのですが、『なんて温かい、そして前向きになれる物語なんだろう』と思いました。ただ、まさかドラァグクイーン役が割り当てられるとは思っていなかったので、ちょっと驚きました(笑)」と率直な心境を口にする。

続けて、役柄に関しては「クールミントは、都会で生きる人にとっての『自由の象徴』みたいなキャラクター」と分析し、「そのクールミントが、自分らしさを表現するのに必要な存在が、サチであり、彼女が作る服であったりします。サチはクールミントからあれこれムチャぶりをされることでデザイナーとしても人としても、成長していきますし、クールミントもまたサチの力を借りて夢を体現していきます。絶妙に面白い間柄なんです」と2人の関係性にも言及。

自身の体験も踏まえて、「僕自身も、1990年に北海道から東京へ出てきたのですが、このドラマでサチがクールミントから受けたような衝撃を僕も、東京から受けました。東京はやっぱり特別なインパクトの強い街でした。実際に、ドラァグクイーン的な夜の街の人たちとも出会い仲良くさせていただき、その時の経験や学びが、今回の役を演じさせてもらえていることにつながっているのかな、とも思っています」と演技プランに思いを巡らせている。

そして、「この物語は、サチのように、若いのに勝手に人生を諦めちゃった人や、愛する人を失ったりすることで人生が止まってしまっている人、そして自分の人生が思い描いていたものと違うことを知って、心にぽっかり穴が開いてしまった人など、いろいろ“心に傷を負った”登場人物が支え合いながら、自らの手で再生に向けて動き出していく…という、とてもすてきな物語です。若い人に刺さる場面がいっぱい出てくると思いますが、50歳になる僕のような年代の方の琴線に触れることもたくさん詰まっています。本当に幅広い年代の方々にお楽しみいただける作品になると思います」と語っている。

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